研究課題
本研究は文理融合の多分野の研究者らとともに、日本とタイにおいて高齢期の「フレイル」の実態を社会的また文化的側面から明らかにし、地域の特性にそくした新たな介護予防プラグラムの構築につなげることであった。研究計画では5年間を通じて3つのフェーズ:①タイと日本におけるフレイルの実態を把握し、新たなフレイル指標を開発する、② 新たなフレイル指標を適用し、地域でのフレイルのスクリーニングを行う、③ 抽出されたフレイル高齢者に対して介護予防の実践を行うことを予定していた。開始1年目の2019年度の終わりから新型コロナウイルス感染症の影響が深刻化し、高齢者を対象とした健診が困難になったため、計画には約2年の遅れが生じた。2022年度からタイのナコンパトムおよび高知県土佐町において高齢者の健康に関するサーベイを再開することができた。2023年度は、その結果を量的に分析し、コロナ前に身体的な健康度(日常生活機能、ADL)が保たれていた高齢者の経年的な健康度の変化を明らかにし、報告した。また、タイの調査地ナコンパトムにおいては、2022年に健康状態(ADL、QOL、身長・体重、食事や口腔の状況、等)のフォローアップが完了した183人のうち、ADLを維持できていた高齢者の家庭訪問を行い、介護予防に関する日常の行動(運動、食、仏教活動など)に関するインタビュー調査を行った。そのうち、19名のインタビューデータを現在分析中である。高齢者の感染不安や社会状況など様々な影響で研究に遅れが生じているが、感染症により高齢者の予防行動に対する関心は高まっており、本研究の成果が今後の介護予防のための貴重なデータおよびナラティブ情報を提示し、実践的取り組みへの示唆を与えると考えている。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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