研究課題/領域番号 |
19H04353
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
後藤 健介 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (60423620)
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研究分担者 |
金子 聰 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00342907)
黒木 貴一 関西大学, 文学部, 教授 (40325436)
藤田 大輔 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70243293)
峰松 和夫 長崎大学, 教育学部, 教授 (60622644)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スリランカ / 水害 / 水害時感染症 / ハザードマップ / 安全教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、経済的に貧困エリアが多い山間部での水害および水害時感染症の二重被害が問題となっているスリランカのラトナプラ県を対象とし、水害および水害時感染症の実態把握を行い、現在作製されていない水害および感染症ハザードマップを作製し、また、地域住民の水害と感染症に関する基礎知識保有率調査を実施することで、水害と感染症に関するeラーニング教材を開発する。水害被害が多いエリアに住む住民に水害時の安全教育を実施することで、安全教育を通した持続可能な包括的水害対策パッケージを構築することを目的とするものである。 2019年度における研究予定は、1)スリランカの水害・感染症の現状把握調査の実施、2)衛星データ等を用いた実態把握、3)水害および感染症のハイリスクエリアの抽出、であったが、新型コロナウイルス感染症による影響により、スリランカへの入国が不可能となるなど、現地での調査とその結果を用いた解析等がほとんどできなかったため、研究計画を見直し、下記内容を実施した。 ①水害エリアの住民における水害および水害時感染症についてのアンケート調査:現地の研究協力者の協力を仰ぎ、水害エリアの住民に対して、水害および水害時感染症についての意識や知識について、アンケート調査を行った。 ②衛星データを用いた現地の環境調査:対象エリアの衛星データを入手し、水害エリアの地形や自然環境の特性把握を行った。 ③水害及び感染症のハザードマップ作成に向けてのGIS解析準備:現地の公共施設や河川、道路などの空間情報の入手、整理を行い、GISマップの基礎データ作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍によって、スリランカへの入国が規制され、現地での調査が困難であったこと、また共同研究者であるラトナプラ保健省関係者が、コロナ対策プロジェクト等の業務で多忙を極めており、オンライン会議等により密に連絡を取り合うことで、現地状況を把握するほか、収集可能な感染症関連データ等の各種データの収集および整理に努めるなどしたが、当初の予定であった研究実施内容には遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
現地の共同研究者と日程の調整を行い、現地調査の実施に向けて準備を進める。また、現地保健省等の研究協力者の協力を仰ぎながら、下記内容について効率よく調査・分析等を進める。 ①水害エリアの抽出:水害エリアにおける住民アンケート調査結果について分析を進めるとともに、現地での聞き取り調査、および衛星データ解析によって過去に発生した水害の実態を把握し、水害エリアの抽出を行う。 ②気象と水害の因果関係調査:水害が発生した際の降雨量について時系列解析(OLS回帰分析、VARモデル)を行い、降雨量および降雨時間と水害発生の関係を調べる。 ③デング熱、レプトスピラ症の実態把握:ラトナプラ保健省およびPHIの協力により感染症患者情報を収集し、デジタル感染分布図を作製する。また、患者数データと水害時の降雨量を用いた時系列解析(OLS回帰分析、VARモデル)により、水害発生と感染症発生の関係の有無などについて調べる。 ④水害および感染症のハイリスクエリアの抽出:①~③の結果を基に、GISによる空間解析によって水害および感染症の発生が、過去において高いエリアを抽出し、そのエリアをハイリスクエリアとする。空間解析では、データが欠損している分を補完しながら感染分布を推定することが出来るカーネル密度推定を用いながら、対象地域内における水害および感染症の分布特性が高い地域を推定するホットスポット分析を用いてハイリスクエリアを抽出し、水害および感染症のハザードマップの基礎資料とする。
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