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2020 年度 実績報告書

都市におけるオープンデータの多様化とデータリンクによるデータの循環的な利活用環境

研究課題

研究課題/領域番号 19H04366
研究機関津田塾大学

研究代表者

小舘 亮之  津田塾大学, 総合政策学部, 教授 (00318859)

研究分担者 曽根原 登  津田塾大学, 総合政策学部, 教授 (30390595)
BOLT Timothy  埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (40757564)
若原 俊彦  津田塾大学, 総合政策研究所, 研究員 (80318857)
一藤 裕  長崎大学, 情報データ科学部, 准教授 (90590274)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードオープンデータ / データ利活用 / 情報ポータルサービス / エコシステム / 観光情報 / Wi-Fiセンサ / Tripleデータ / 離散的選択実験
研究実績の概要

令和元年度に続き,1. センサ等からの動的データの収集・分析によるオープンデータの多様化,2.データ間のリンクによるデータ利用の促進とアプリの共通利用の実現,3. オープンデータを活用した情報ポータルサービスの設計と運用,の3つのテーマに取り組んだ.以下,テーマ別に成果の概要を記す.
テーマ1では,公衆無線LAN(Wi-Fi)のシステムログ,Wi-Fiパケットセンサを用いた群流データの収集と可視化を計画したが,コロナ禍でデータ収集が困難であり,地域のデータ活用について研究した.特に,宿泊施設の予約プランを対象とし,利用者の選択要因を分析した.立地,価格,プラン,曜日,施設名を説明要因として,売り切れるかどうかを被説明変数としたモデルと価格を被説明変数としたモデルを構築し,立地の有意性について評価した.その結果,立地は価格の要因としての説明力は低く,施設やプラン内容の有意性が説明できる結果が得られた.よって,立地に加えて他の条件を利用することで,人の流れを制御できる可能性を示した.
テーマ2では,東京都渋谷区千駄ヶ谷地域を対象とした観光情報や歴史,文化や地理的な情報を収集し,CMSを用いてWebサイトを構築した.サイトには,オープンデータや集合知のTripleデータを利用して,必要なデータをフィルタリングして補うことでコンテンツの充実をはかった.
テーマ3では,オープンデータを活用するエコシステムについて整理したほか,政府などの感染追跡サービスを通じたコロナウイルス感染症対策におけるオープンデータの役割について,感染低減に有用なシステムを対象に検討した結果,政府や民間企業が予防接種データやその他関連のデータを利用することへの信頼性を重要な要素とした.日本の成人2,300名を対象として,関連するデータ管理の受容性とデジタルワクチン接種証明書の使用例に関する離散的選択実験を実施した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では,「地域におけるオープンデータによるサービスの持続的な受容性を高め,オープンガバメントの推進に資するためのデータ循環の仕組みを明らかにすること」を目的とし,1. センサ等からの動的データの収集・分析によるオープンデータの多様化,2. データ間のリンクによるデータ利用の促進とアプリの共通利用環境の整備,3. オープンデータを活用した情報ポータルサービスの設計と運用の3つのサブテーマを進めている.
令和2年度は,コロナ禍の影響で,当初計画した研究で,上記1. のテーマにおいては,Wi-Fiパケットセンサを用いた群流データの収集と可視化を計画通りに進めることはできなかった点において,当初計画よりやや遅れていると評価している.一方で,3. のテーマにおいては,現在の社会状況に合わせる形でコロナウイルス感染症対策におけるオープンデータの役割についての検討を開始するなど,可能な範囲で柔軟な対応を試みている.

今後の研究の推進方策

テーマ1では,観光,宿泊,飲食,買い物,交通などの群流データの共有基盤とともに,地域の観光などスポットデータとSNSの感情を示すソーシャルボタンデータのオープンデータ化に取り組む.具体的には,2020東京五輪・パラリンピックのメイン会場である東京都渋谷区千駄ヶ谷周辺のスポットデータとソーシャルボタンデータのデータ共有基盤を構築する.また,宿泊施設のモデルは,令和2年度は長崎県内のみで評価を行ったので,令和3年度は地域によって立地の有用性を評価し,地域間の特性を比較することを目標とする.具体的には,大都市として福岡県を対象としたモデル,類似都市として,熊本県を対象としたモデルを構築し,その差異や特性について評価を行い,都市設計時に必要な要素について明らかにする.
テーマ2では,令和2年度の作業を継続し,新たに渋谷区千駄ヶ谷大通り商店街の情報を収集し,これらの主語-述語-目的語の三つ組構成を行ってオープンデータ化し,商店の紹介として表示する予定である.掲載する商店を抽出し,その住所,緯度・経度,由来,特徴,特売品・日などを調査するとともに,現在構築中の千駄ヶ谷関連情報サイトのオープンデータ化を図って組み込む.また,この情報は新たに借用したレンタルサーバーに移築し,既存の観光情報のデータと各商店のリンク特性を評価するとともに,DBpediaなどにより対象地域の歴史や文化データなどとをリンク設定しSPARQLを利用したアプリを設計する.
テーマ3では,まず,ユースケースに対する国民の信頼と受容に焦点を当てたデジタルワクチン証明書の離散的選択実験の結果を整理する.また,それに続く離散的選択実験として,令和2年度に実施した地方自治体のデジタルダッシュボードやデータポータルの健康関連コンテンツの調査に基づき,より一般的な地方自治体のリンク付きオープンデータの利用法について調査する.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] バーチャルキャンパスにおいて背景情報とアバタが大学への帰属意識に及ぼす効果 ~ 津田塾大学千駄ヶ谷キャンパスをケーススタディとして ~2021

    • 著者名/発表者名
      増田珠美, 小舘亮之
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告, no. 417, LOIS2020-51

      巻: 120 ページ: 24-29

  • [雑誌論文] 科目推薦機能を有するeポートフォリオの設計と開発2021

    • 著者名/発表者名
      縣美早, 小舘亮之
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告, no. 417, LOIS2020-52

      巻: 120 ページ: 30-34

  • [雑誌論文] オープンデータのデータ利活用を促進させる利用者特性に関する探索的調査2021

    • 著者名/発表者名
      小舘亮之, 大室良介, 若原俊彦, 曽根原登
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告, no. 417, LOIS2020-51

      巻: 120 ページ: 35-40

  • [雑誌論文] 画像分類によるキャラクター推薦2020

    • 著者名/発表者名
      松尾将和,一藤裕
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告, no. 324, LOIS2020-41

      巻: 120 ページ: 113-118

  • [学会発表] オンラインでのピアラーニングを活性化させるためのグループ分け方法の検討 -授業での課題取り組み時の共感距離に着目した実証研究-2021

    • 著者名/発表者名
      戸根木希,鈴木貴久,曽根原登
    • 学会等名
      情報処理学会第83回全国大会講演論文集
  • [学会発表] 公共交通機関 Web サイトの Web アクセシビリティに関する調査分析2021

    • 著者名/発表者名
      溝部晴奈, 小舘 亮之
    • 学会等名
      情報コミュニケーション学会第18回全国大会
  • [学会発表] 利用者参加型の知恵共有サービスにおけるコミュニケーションの課題と提案2021

    • 著者名/発表者名
      橘風花, 古市香菜子, 原口史帆, 小舘亮之
    • 学会等名
      情報コミュニケーション学会第18回全国大会
  • [学会発表] Analyzing hotel price and occupancy with low rank spatial econometric models2020

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Murakami, Yu Ichifuji
    • 学会等名
      2020 Asian Conference in Regional Science
    • 国際学会
  • [学会発表] Web予約データを用いたホテル価格の地理的要因分析2020

    • 著者名/発表者名
      一藤裕、村上大輔
    • 学会等名
      日本経営工学会2020年秋季大会

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公開日: 2021-12-27  

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