本研究は、近代化を遂げる17世紀のヨーロッパ数学、とりわけ無限小幾何学の展開において、ライプニッツの数学研究が果たした役割を明らかにすることを目指している。研究に際しては、ライプニッツが影響を受けた数学者の研究についても参照し、現代の数学の哲学研究の成果も活用し、さらに、ライプニッツ自身の手稿も検討することで、ライプニッツの数学研究において幾何図形が果たした役割をできる限り歴史的にも厳密なかたちで明らかにすることを試みた。歴史的観点と現代的観点のバランスを取りながら研究を進める本研究は、我が国ではまだ十分根付いたとは言い難い数理哲学研究のモデルを提供することができる。
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