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2023 年度 研究成果報告書

鄭玄周礼学の研究

研究課題

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研究課題/領域番号 19K00056
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
研究機関香川大学

研究代表者

古橋 紀宏  香川大学, 教育学部, 准教授 (90832296)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード鄭玄 / 周礼 / 緯書 / 帝系 / 王粛 / 鄭沖 / 偽古文尚書 / 孔安国伝
研究成果の概要

本研究では以下の点を明らかにした。①鄭玄の礼学において、『周礼』よりも緯書が中心に位置づけられている。②鄭玄の上古の歴史観も緯書を採用し、『世本』・『史記』・『大戴礼記』に採用された「帝系」の歴史観とは全く異なっていた。③鄭玄説に対して当時の現実や通念の立場から批判した者は、王粛のみならず当時幅広く存在していた。④鄭玄説に反対し、経書解釈から緯書の影響を排除しようとする立場は、王粛・鄭沖らから、『偽古文尚書』とその孔安国伝へと継承された。⑤『偽古文尚書』が知識人に受容された理由として、当時の天文学的研究が既に緯書に対する疑念を惹起していたことが挙げられる。

自由記述の分野

中国哲学

研究成果の学術的意義や社会的意義

従来、漢から唐の経学は、漢唐訓詁学として一つに分類されることが多い。しかし、本研究により、鄭玄説の中心には緯書が位置づけられ、鄭玄の歴史観も緯書に依拠し、曹魏においてはその鄭玄説が採用され、『史記』の歴史観が否定される状況にあったことが明らかになった。そして、鄭玄説は当時の現実社会や通念に必ずしも適合していなかったため、鄭玄説に代わり、緯書の影響を受けない経書解釈が社会的に求められ、それが『偽古文尚書』とその孔安国伝の偽作と受容の背景となったことも明らかになった。これは、魏晋時代の経学が社会に適合するために変化したと捉えられ、この変化は以後の経書解釈を規定した点で重要な意味を持つものである。

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公開日: 2025-01-30  

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