取り上げた34名の画家の多くは東北の地方史で知られていたものの、実際は江戸や京都などとも深い結びつきを有し、ローカルに終始するものではないことを明らかにした。また、江戸時代の絵画史が多様性を有するものであったと示すため、画家の伝記や作画活動を伝える文献資料を『東北画人基礎資料集』という成果物に集約した。これを美術史研究者、大学図書館、東北地方の主な図書館に配布する一方、「東北の画人たち」と銘打った美術展覧会を2022年と2023年の2度にわたり、松島の古刹・瑞巌寺の宝物館で開催する。この両者により、東北の画家に対する美術史研究の活性化、さらに各地域の文化財に対する認識の深まりが期待できる。
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