研究課題/領域番号 |
19K00420
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
永尾 悟 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (80389519)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アフリカ系アメリカ文学 / ホワイト・ライフ小説 / Frank Yerby / Richard Wright / James Baldwin / 黒人性 / 白人性 / エスニシティ |
研究成果の概要 |
本研究は、アフリカ系アメリカ人作家による白人主人公の小説、いわゆる「ホワイトライフ小説」について、その最盛期とされ20世紀中盤の作品を主な対象として、同時代の人種言説との呼応性と文学的伝統との交差性を探るものである。人種的他者としての白人を主体として描く文学形式とその展開について、黒人性表象の問題に終始しがちな先行研究では本格的に論じられることはなかった。そこで本研究は、これまであまり注目されなかった作品を中心に、手書き原稿、創作ノート、書簡などの未出版物、そして当時の批評書や雑誌媒体を精査しながら、ホワイトライフ小説の隆盛をひとつの時代現象として文化・歴史的視座から考察したものである。
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自由記述の分野 |
アメリカ文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ホワイトライフ小説は国内外ともに注目度が低く未だ未開拓の領域である。また、本研究の枠組みとなる白人性研究は、特に英語圏で既存の人文・社会科学を領域横断した複合的学際研究として1990年以降に発展してきた領域であるため、ホワイトライフ小説の時代現象を実証的に考察することで、白人性研究のケーススタディとして文学以外の分野にも幅広く発信することができる。さらに、アフリカ系アメリカ文学を通史的に論じた国内の先行研究においては、1940年代後半から60年代前半までの時代性に関する検証がまだ不十分である。よって本研究では、個別の作家や作品と時代状況との呼応関係について資料調査による実証的な分析を重視した。
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