研究課題/領域番号 |
19K00488
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
岡本 尚子 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 外来研究員 (90600817)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | J.-C.マルドリュス / 千一夜物語 / 仏語圏中東地域文化研究 / オリエンタリスム / 仏語・仏語圏文学 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究開始にあたり研究のために必要な環境を整え、調査対象であるJ.-C.マルドリュスによる『福音書』の翻訳とされるCinq conteurs divins dans la lumiere(光に満ちた5人の神の言葉の語り手)手稿のデータ化を開始した。具体的には以下の作業を行った。 ①『マルドリュス遺贈コレクション』内の関連資料の調査:これまでデジタル化したマルドリュス関連の資料の中で、調査対象の手稿に関連するものの確認作業を行った。②手稿の解読及び転写:これについては、フランス人研究者にも協力を依頼し、現在進行中である。③調査対象が執筆された時期に関して、マルドリュス周辺の情報収集を行った。④マルドリュス関連の研究として、2021年度出版予定である『マルドリュス遺贈コレクションカタログ』の編集作業及び論文執筆を行った。⑤マルドリュスに関する研究の一環として、彼の出身地エジプトの伝説的女性歌手ウンム・クルスームについての伝記的小説、Selim Nassib著「OUM」(Editions Balland,1994)の翻訳を行った(共訳:2020年度出版予定)⑥『千一夜物語』関連の研究として、ペティス・ド・ラ・クロワによる『シンドバード航海記』に関する調査を行った。 尚、2月~3月にかけて、フランスにおける現地調査を行う予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大により、現地調査を取りやめた。そのため、当初予定していた現地で資料の確認を行う調査が実施できず、やむを得ず研究計画を一部変更することとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、フランスによる現地調査を中止せざるを得なく、現物資料の確認が不可能となった。尚、今後の状況も不透明なため、まず国内でできる作業を集中的に行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当面は、調査対象の手稿のデジタル化、『マルドリュス遺贈コレクション』内の資料調査、マルドリュスと同世代の聖書研究に関する情報調査など、国内で可能な調査に集中し、新型コロナウイルスの流行が収束した後、海外調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2月~3月にかけてフランスで現地調査を行う予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて中止した。状況が改善し次第、海外調査を行う予定である。
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