本研究では関係詞節を含む英語表現について、広範な事例分析を通して「文の意味」と「発話の意味」の関係を検討し、発話解釈における主節と関係詞節の相互作用を意味的・語用論的に分析した。その結果、特に非制限的関係詞節の発話解釈において成果を上げることができた。第1に、リアルタイム性(会話の場と瞬時の情報処理が要求される状況)がWhich節の生起する環境に適していること、第2に、Which節は話題化文と同様の談話機能を持ち、それがWhich節の話し言葉における生起を動機づけていること、第3に、Whichは指示特定の手続き上、it, thatとは異なる特徴を持っていること、の3点を確認することができた。
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