研究課題/領域番号 |
19K00706
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
深澤 のぞみ 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (60313590)
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研究分担者 |
山路 奈保子 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (40588703)
須藤 秀紹 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (90352525)
大江 元貴 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (30733620)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 説得における非言語行動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、公的な場で,情報や考えを他人に伝えるパブリックスピーキングにおいて、「説得」の特徴を統合的な分析をもとに明らかにしようとするものである。パブリックスピーキングのマルチモーダルな分析と検証を行うことを目的とし、実験的手法を用いて検証を行った上で、日本語教育分野やグローバルコミュニケーション分野での教育に寄与することを目指す。パブリックスピーキングでは、スピーチの内容そのものの分析に、非言語行動の役割も含めて分析することで、「説得」が成功するためのプロセスを抽出することができると考えられるからである。 2021年度は2020年度に続き、「説得」の実態を実験的な手法で明らかにしようとしていたが、コロナ禍が再燃したこともあり、結局、実現できないままになってしまった。そこで本年はまず、研究メンバーで研究計画の見直しを行い、「日本語パブリックスピーキングにおける視線行動を中心としたマルチモーダル分析」に焦点を当てた研究計画に変更し、さらに対面状況とオンライン状況での異なりの違いや、評価に与える影響の調査を中心に行うことにした。 本年度の研究では新たな分析結果などは得られなかったが、これまでの研究成果をもとに、パブリックスピーキング関連の研修や講演を行ったことが挙げられる。インドネシアの日本語教育関係者や大学院生を対象に、「パブリックスピーキング」に関する講演や、日本語教師(初任)研修内で、口頭発表や議論の仕方について研修を実施した。これらは、これまで本研究で明らかになったパブリックスピーキングにおける説得の特徴について話し、さらに非言語行動の影響などについても説明を行なった。研修や講演の中では、非言語行動の特徴などについて意見交換も行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍が2年続き、当初の計画である実験的手法による「説得」についての行動の確認をすることができていない状況である。そのため、研究計画の見直しを行うことにした。
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今後の研究の推進方策 |
現在もまだコロナ禍の影響があり、当初の実験的手法での計画の実施は、2022年度の可能性も見通せない状況である。そこで、2021年度の研究実績の項にも記したように、研究計画の変更を行うことにした。 具体的には、「日本語パブリックスピーキングにおける視線行動や手の動きのマルチモーダル分析」に焦点を当てた研究計画に変更し、さらに対面状況とオンライン状況での異なりの違いや、評価に与える影響の調査を中心に行うことにした。大学ビブリオバトル決勝戦の対面で行われた年の録画と、大学ビブリオバトルオンライン大会2020の録画(予選などのもデータがある)と比較し、勝者の視線行動や手の動きなどを比較することとした。この分析については、現在、進行中である。さらにこの結果をもとに、実験的なビブリオバトルの録画を作成し、それをもとに、どのくらい説得に関する効果を持つかについて、アンケート調査などを行なって明らかにしたい。対面での調査が不可能になる可能性も高いため、調査自体をオンラインでも実行できるようなデザインにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、実験的手法による調査や出張などが自由にできなかったことが原因である。研究計画を見直し、別の方法で行うことにした。
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