研究課題/領域番号 |
19K00722
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
鹿島 央 南山大学, 人文学部, 研究員 (60204377)
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研究分担者 |
橋本 慎吾 岐阜大学, グローカル推進機構, 教授 (20293582)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アクセントダイアグラム / AD図 / 段差表示 / 傾斜表示 / アクセント教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本語のリズムとアクセントを同時に視覚表示できる2種類のアクセントダイアグラム(AD図)が学習者の音声習得に効果があるかどうか、またどちらの図が効果的かを検証し、最終的にはWEB教材を作成することである。2023年度は、引き続き共同研究者(岐阜大学)の教員1名とオンラインでのリモート収録で2名追加実施し、合計14名の協力者を得た。収録内容はこれまでと同じく、3週間の間をあけて2回実施し、それぞれ1時間のうちに1回目は聴取課題および語と文の生成課題、2回目はAD図の説明と練習、さらにはAD図を用いて1回目に正しく生成できなかった語と文の生成課題である。2023年度は、これまでの収録結果を分析し、2種類のAD図(段差表示と傾斜表示)の効果に違いがあるかどうかについて検証した。効果があるかどうかについては、1回目で間違えた語を2回目にAD図を初めて見て正しく生成できるどうか(初見正答率と初見正答数)をアクセント型ごとに分析した。この結果、傾斜表示での収録の方が、初見正答数が有意に高いことが分かった。このことから、アクセント教育においては単に段差を示し発音する教育方法ではなく、アクセント核のある拍の次の拍内の母音の下降に注目した教育方法がより効果的であることが示唆される結果となった。この結果については、日本音声学会第347回研究例会にてオンラインでの口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
オンラインによる収録のため、思うように調査協力者が得られないことが挙げられる。当初の予定では、英語を母語とする初級学習者10名であり、現在14名の協力者が得られているが、想定しているレベルの学習者がそろっているとは言えない状況である。この結果、分析結果にばらつきがあり、分析に手間取ったことが遅れていると考える理由である。
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今後の研究の推進方策 |
一つには、文レベルでの分析が残っていること、二つ目にはWEB教材の開発をおこなうことである。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では、海外での収録を計画していたが、コロナ禍のために断念せざるを得ない状況であった。使用できなかった残額については、WEB教材の開発費用と教材作成費用に充当する予定である。
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