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2021 年度 実施状況報告書

日本語支援者の学び解明と促進を目指した多文化サービスラーニングの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K00723
研究機関立命館大学

研究代表者

北出 慶子  立命館大学, 文学部, 教授 (60368008)

研究分担者 村山 かなえ  立命館大学, 国際教育推進機構, 嘱託講師 (10589948)
安田 裕子  立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20437180)
遠山 千佳  立命館大学, 法学部, 教授 (40383400)
山口 洋典  立命館大学, 共通教育推進機構, 教授 (90449520)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード日本語学習支援者 / 市民性教育 / サービス・ラーニング / ナラティブ / 多文化共生
研究実績の概要

2021年度は、主に以下の4点の成果を上げることができた。

1.サービス・ラーニング科目の開発:サービス・ラーニングの枠組みを利用した科目を日本語教師養成プログラムの中で開講準備を進めた。関連する研究会も複数回開催した。複数の地域多文化交流や日本語教室との連携基盤を構築し、2022年度に開講決定まで到達している。
2.発表:学内国際系ピア・サポーターの発達とカリキュラム開発の関係についてPBL2021の国際学会で発表,発信した。また、サービス・ラーニングと日本語教師教育の関係について2022年2月の桜美林大学での研究会で招待講演をした。
3.論文執筆と図書刊行:本プロジェクトでの調査方法に関してマルチビューの導入を試みた実践について「ボランティア学研究」という国際ボランティア学会の学会誌で採択され、2022年3月に刊行された。また、2年間かけて調査、分析をしてきた学内国際系ピア・サポート学生のボランティア活動を通した学びの解明をした研究について論文執筆を進め、原稿を完成させた。2022年前半期に学会誌に投稿する予定である。また、言語教育におけるナラティブの可能性について2021年6月に共著で図書を出版した。
4.多文化理解の振返り方法の検討:多文化交流や日本語学習支援ボランティアに携わる学生の異文化理解の観点における振り返り活動について調査・検討を重ねてきた。2022年3月に研究会を開催し、異文化理解の振返りワークショップを開催した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

サービス・ラーニングの枠組みを導入した日本語学習支援者の育成において、その土台となるサービス・ラーニング分野のレビューおよびプロジェクトメンバーでの共有は、ほぼ予定通りできている。
また、国際系ピア・ラーニングに取り組んだ学生を対象とした調査研究についても国際学会での発表を踏まえ、学会誌投稿に向け論文にまとめるところまで到達した。
サービス・ラーニングを導入した日本語教育授業の開発においては、COVID-19の感染拡大により、地域の日本語教室や多文化交流活動が2020年度から2021年度にかけて停止されていたこともあり、地域との連携に時間を要した。しかし、2021年度に無事、連携体制も確立し、2022年度からの新規開講も決まり、2022年度に成果検証を予定している。

今後の研究の推進方策

2022年度は、サービス・ラーニングの枠組みを導入した日本語学習支援者育成のための授業が開講されるにあたり、地域日本語教室・多文化交流団体との連携をさらに深め、地域貢献および参加学生の学びの両立を目指した実践研究を行う。また、2022年度からは茨木市の多文化共生推進において本研究で築いたサービス・ラーニングの枠組みを導入した官学連携によるモデル開発も予定している。両方において参加学生への研修・監督を行い、年度末には成果発信の研究会開催を予定している。感染拡大で対面でのボランティア活動が実施できない場合は、オンラインでの実施についても確認を得ている。

次年度使用額が生じた理由

2020年度と2021年度は、COVID-19の感染予防により地域日本語教室や多文化交流の活動が中断していた。この影響もあり、本プロジェクトの取組みである多文化サービス・ラーニングの開講が2022年度となった。多文化サービス・ラーニングの成果検証も本プロジェクトで遂行することを考え、本プロジェクトで2022年度1年分の延長をすることに決めたため、2022年度の研究費を意図的に残した。2022年度は、検証のための調査協力者への謝金や成果発表などに研究費を使用する。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 5件、 招待講演 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 脳卒中患者における不安を中心とした経時的心理変化―TEM(複線径路等至性モデリング)による分析2022

    • 著者名/発表者名
      原田梓・安田裕子・三田村仰
    • 雑誌名

      対人援助学研究

      巻: 12 ページ: 28-42

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] トランスビューからマルチビューへの展開を通した経験の物語化への方法論:ボランティア体験の言語化を促進する実践的研究へアプローチとして2022

    • 著者名/発表者名
      山口 洋典・北出 慶子・遠山 千佳・村山 かなえ・安田 裕子
    • 雑誌名

      ボランティア学研究

      巻: 22 ページ: 97-113

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] PBLの風と土:(18)活動させる教育を共に場をつくる学習へ2021

    • 著者名/発表者名
      山口 洋典
    • 雑誌名

      対人援助学マガジン

      巻: 12(2) ページ: 207-212

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] キーノートスピーチ「ポストCOVID-19における越境的支援のかたち」2022

    • 著者名/発表者名
      今井紀明・宗田勝也・山口洋典
    • 学会等名
      国際ボランティア学会第23回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 理事会企画シンポジウム① 対人援助学における環境と個人の相互作用(研究法の観点から 行動分析学と質的研究法TEA―ものの見方ととらえる世界の共通性)2022

    • 著者名/発表者名
      藤信子・中鹿直樹・村本邦子・安田裕子・土田菜穂
    • 学会等名
      対人援助学会第13回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本語学習支援者の育成と多文化サービス・ラーニング2022

    • 著者名/発表者名
      北出慶子
    • 学会等名
      日本語教育&サービスラーニング研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 多文化理解をめざした学びのコミュニティの育み方と大学の国際化 ―「越境的学習」「対話」「ナラティヴ」「リフレクション」から見える 教職員の学びの一考察―2022

    • 著者名/発表者名
      村山かなえ・岡本香織・佐藤輝一
    • 学会等名
      第28回 大学教育研究フォーラム
  • [学会発表] Intercultural Collaborative Learning Online: How the Learners Reflected on Their Learning2022

    • 著者名/発表者名
      Kanae Murayama
    • 学会等名
      56th RELC International Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] The process of learning and growing of peer supporters through place management: for curriculum and co-curriculum hybridization2021

    • 著者名/発表者名
      Hironori Yamaguchi, Kanae Murayama, Keiko Kitade, Chika Tohyama and Yuko Yasuda
    • 学会等名
      PBL2021 International Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] How Service-Learners Deepen Their Relationships and Design Their Lives: Introducing the Metaphor of Earth, Wind, and Waves in Disaster Revitalization Programs2021

    • 著者名/発表者名
      Hironori Yamaguchi, Megumi Akiyoshi, Toru Kawai, Seishi Miyashita
    • 学会等名
      IARSLCE 2021 Virtual Gathering
    • 国際学会
  • [学会発表] Construction of an alternative ‘future I-position’ through semiotic meaning-making: Re-analysing the interviews of a college student in career transition2021

    • 著者名/発表者名
      Keiko Kitade
    • 学会等名
      The 11th International Conference on the Dialogical Self
    • 国際学会
  • [学会発表] 大学生が見据えるライフコース・キャリアにおける日本語教師という職業-日本語教育課程の学生が新卒で日本語教師に進まないことを決めるまでのプロセスー2021

    • 著者名/発表者名
      北出慶子
    • 学会等名
      日本語教育学会 春季大会
  • [学会発表] 新しい時代の日本語教育人材育成のための連携・意義・教育観ー「日本語教育者ネットワーク」の活動から―2021

    • 著者名/発表者名
      嶋津百代・北出慶子・杉本香・中谷潤子
    • 学会等名
      日本語教育学会 春季大会
  • [学会発表] 日本語教育でつながる社会―これからの言語・文化学習に向けて2021

    • 著者名/発表者名
      北出慶子
    • 学会等名
      中央大学人文科研究所
    • 招待講演
  • [学会発表] How to Go Beyond Borders: An Online Collaborative Case in Japan and Canada2021

    • 著者名/発表者名
      Timothy Mossman・Kanae Murayama・Koichi Haseyama
    • 学会等名
      JALT2021: the 47th Annual International Conference on Language Teaching and Learning & Educational Materials Exhibition
    • 国際学会
  • [学会発表] 展結について2021

    • 著者名/発表者名
      サトウタツヤ・土元哲平・田中千尋・宮下太陽・安田裕子・森直久
    • 学会等名
      日本心理学会第85回大会
  • [学会発表] 複線径路等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach: TEA)―基礎編2021

    • 著者名/発表者名
      安田裕子・サトウタツヤ
    • 学会等名
      日本心理学会第85回大会
  • [学会発表] 複線径路等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach: TEA)―応用編2021

    • 著者名/発表者名
      サトウタツヤ・安田裕子
    • 学会等名
      日本心理学会第85回大会
  • [学会発表] グローバルコモンズにおける教職員の関わりと学びの在り方 ―学生どうしをつなぐ学びの実践が多文化理解コミュニティを構築するまで―2021

    • 著者名/発表者名
      村山かなえ・加藤薫・三皷悠太
    • 学会等名
      第27回 大学教育研究フォーラム
  • [図書] ナラティブでひらく言語教育2021

    • 著者名/発表者名
      北出 慶子、嶋津 百代、三代 純平
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      新曜社
    • ISBN
      978-4-7885-1731-8

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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