研究課題/領域番号 |
19K00748
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
酒井 恵美子 中京大学, 国際教養学部, 教授 (00217754)
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研究分担者 |
中田 敏夫 愛知教育大学, 教育学部, 名誉教授 (60145646)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 植民地教育史 / 日本語教育史 / 言語教育史 / 台湾教育史 / 国語伝習所 / 台湾公学校 / 国民性の涵養 / 同化教育 |
研究実績の概要 |
19年度はまず台湾教育史関係の文書を収集するための収集範囲、収集方法を検討した。収集範囲はまず明治期を行うこととし、明治28年、明治29年度台湾総督府文書から試験的に台湾教育史関係の文書を収集し、研究分担者と討議した。その結果、第一の収集として教育部門と進退部門については網羅的な収集を行うこととした。ただし、歴史的な事件や出来事により、他の部門にも教育史に関係する文書が散見されることも事実である。そのため第二の収集として時代的な背景を踏まえて適宜テーマを定めて収集することとした。明治31年までは台湾における教育制度が整う時期であることを考え、より広く教育制度に関するものを採集することとした。その後については第二の収集を年度ごとに検討することにした。以上の点を踏まえて、明治28年、明治29年の収集を行い、また、その一部については文字おこしを行った。量的に多くなるため、公開方法については別途検討する。 また、本研究の二つ目の目的である植民地台湾における日本語教育の目的の変遷については採集した明治28年、29年の文書について検討した。渡台期にある日本語伝習所とその後の国語伝習所について、また、「恒春分教場顛末」について、背景等を調査することにした。「恒春分教場」については少数民族を対象とする最初の国語伝習所であり、研究も存在するが、さらに検討を行う。また、書房、義塾など在来の教育システム、学租、学田とその後の街庄単位の公学校の設置、財政基盤との関係などについて台湾総督府文書以外にも資料を収集し、公学校設置の基盤を探っていくこととした。 19年度は2020年2月、3月に予定していた国内と台湾での文献収集ができなかった。収集の見込みはまだ立っていない。2020年度は台湾総督府文書から台湾史教育関係文書の収集を中心に進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の課題のうち、台湾総督府文書からの文献収集についてはほぼ予定どおり行った。ただ、2020年2.3月に予定していた国内(東京)への文献収集調査、台湾(台北・南投市)の調査は行くことができなかった。台湾は新型肺炎も安定的状況にあるが、日本からの調査を受け入れる状態ではない。それに比して国内調査は可能性があるが、慎重に計画を立てたい。
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今後の研究の推進方策 |
台湾総督府文書からの日本語教育史関係文書の収集は20年度は明治30年から明治34年まで、21年度はそれ以降の明治期の文書を収集する。整理と文字化についても並行的に行う。22年度はそれらの資料と台湾総督府文書以外の文書より、台湾統治初期の日本語教育の目的について検討を行い、まとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年2月、3月に東京と台湾への予定していた文献収集のための調査が中止となったため。
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