研究課題/領域番号 |
19K00799
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
平高 史也 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 名誉教授 (60156677)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 第2言語 / ドイツ語 / 教科学習 / 初期指導 / 中途入学者 / 教員養成 |
研究実績の概要 |
2019年は5月末から6月初旬にかけて、および8月中と2回渡独し、次のヒヤリング調査を行った。(1)ベルリン・フンボルト大学で第2言語としてのドイツ語の教員養成に関わるプロジェクト・リーダー、(2)ベルリン州のNPOで移民の背景をもった子どもの教育に携わる専門家、(3)第2言語習得研究や第2言語と教科学習の関係を専門としている研究者、(4)シュトゥットガルト近郊のフォイエルバッハの実家学校の教員、(5)ベルリンのギムナジウムの教員、(6)ミュンヘンのドイツ語学校の教員
本研究では第2言語としてのドイツ語に関わる多様なアクターとの面談を通じて、このテーマのさまざまな側面を浮き彫りにすることを狙いとしているので、さまざまな立場の人に話を聞くことかできたのは重要であった。特に、今回の出張では、これまで手をつけられなかった教員養成の課題について研究者(1)にヒヤリングができた。ベルリンのギムナジウム(5)は2019年3月に授業を見学する機会を得たが、詳しい話を聞くことができなかったので、今回の面談で補足ができた。また、NPOの専門家(3)は第2言語としてのドイツ語の教科書も編集しており、今後、本研究を教科書の分析や出版社への調査に広げていく際にもアプローチが可能である。
調査の結果は、6月9日に行われた日本言語政策学会第21回研究大会のパネル1「外国人受入れに向けた学校、企業、公共サービスの課題-国内外の受入れ側の研修プログラムを通して考える」で「ドイツにおける『第2言語としてのドイツ語』教員養成・研修」と題した報告に反映させることができた。ミュンヘンのドイツ語学校(6)では2009年にも類似のインタビューを実施しており、この10年の事情の比較ができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2度のドイツ出張を通じて多様なアクターにヒヤリングできたので、当初の計画よりも研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
最大の懸念は、当初予定していた2020年度の海外出張が新型コロナウイルスの感染拡大で実現できそうもないことで、そうなると、計画を大きく修正しなくてはならない。インタビューはオンラインでもできるが、授業参観などのフィールドワークは実施できない。オンラインでのインタビューの可能性を模索しつつ、当面は前年度のインタビュー・データの分析や文献研究に時間を費すしかなさそうである。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大で、当初予定していた2020年3月のドイツ出張を取りやめたため。2021年2月に渡独し、現地調査(学校見学や出版社の訪問)を計画している。
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