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2019 年度 実施状況報告書

動詞の多義構造と類義語の分布に関する入力情報の波及と第二言語知識の創発

研究課題

研究課題/領域番号 19K00810
研究機関名城大学

研究代表者

松村 昌紀  名城大学, 理工学部, 教授 (60275112)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード創発 / 複雑系 / 多義語 / 意味ネットワーク / 波及
研究実績の概要

知識や技能の創発的な特性を十分深く理解するため、発達科学や認知言語学などの分野の文献を広く参照し、現在の研究状況をふまえて本研究の理論的基盤を固めた。得られた知見の一部は言語発達と言語教育の問題に関連づけられたうえで、第49回中部地区英語教育学会石川大会において「創発的発達感が第二言語の習得と指導にもたらすもの」として発表された。さらにその内容を発展させた論考「第二言語の発達における行為の役割と学習環境としての『課題』」を収録した書籍『英語のしくみと教え方──こころ・ことば・学びの理論をもとにして』が2020年6月にくろしお出版から刊行されることになっている。2020年度中にくろしお出版から刊行される予定の共著書 An Introduction to Teaching English in the Classroom の執筆担当章においても、一連の考察をもとに第二言語の知識と発達に対する新しい認識のあり方を提示している。
本研究の焦点となる多義語の構造についても、認知言語学分野を中心に先行研究の精査を行った。そのうえで特に実験で取り上げる英語の動詞 run の多義構造に関しては過去の研究者らによる提案を発展させ、核となる語義からのメタファー・メトニミー・シネクドキー的な拡張とともに「プロファイル」の概念を考慮して、実験の計画と結果の解釈において参照可能な暫定的フレームワークを構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究の理論的基盤とテーマに関する現時点での研究状況については十分な理解を得ることができた。しかしながら、関連文献の精査および実験用の参照枠構築に時間を要したため、昨年度の実施を視野に入れていた予備実験の開始にまでは至らなかった。

今後の研究の推進方策

ここまでに得られた成果をもとに、今後1年の間に英語の動詞runの多義性について学習者の知識を確認し、指導介入がもたらす効果の波及範囲を実験を通して明らかにする。ただし、現在続いている大学閉鎖が解除されないかぎり実験を実施することができないため、状況によっては研究の遂行に支障が出る可能性がある。

次年度使用額が生じた理由

研究の理論的基盤の構築に時間を要したため予備実験の実施に至らず、そのために必要な経費が発生しなかったため。繰り越した経費は今年度に行う実験のために使用する予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 創発的発達観が第二言語の習得と指導にもたらすもの2019

    • 著者名/発表者名
      松村昌紀
    • 学会等名
      第49回中部地区英語教育学会石川大会

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公開日: 2021-01-27  

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