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2019 年度 実施状況報告書

多読学習教材から「本物の英語」への架け橋:リーダーコーパスの拡張と有効性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 19K00868
研究機関京都産業大学

研究代表者

加野 まきみ  京都産業大学, 文化学部, 教授 (90352492)

研究分担者 ゴーベル ピーター  京都産業大学, 文化学部, 教授 (40329925)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードリーダーコーパス / Graded Reader / Youth Reader / Easy Reader for Adults / Authentic Text
研究実績の概要

本研究の目的は,英語学習者が多読学習用リーダー (Graded Reader, GR) などの学習者用の読み物から英語母語話者向けの一般書や研究に必要な学術書 Authentic Text (AT) が読めるレベルになるまでの架け橋になるような資料の発掘やそれを用いた指導法の確立である.今年度は,本研究の2方向からアプローチの一つである,実証的アプローチの調査準備を主に進めた.様々なツールを利用して,Authentic Text (AT) の「難しさ」の要因を明らかにするために行った調査の結果を元に,学生の「難しさ」認識に繋がった可能性があると判断された文法項目,文の構造,表現などを,意図的に操作した文章を作成した.データの分析にはAntConc, AntWordProfiler, RANGE, Microsoft Word「読みやすさの評価」などのツールや,BNC,COCAなどの汎用コーパス,またBNC wordlist, The BNC/COCA word family lists, general service list, academic word list, COCA ngram listなどの語彙表を使用した.また,作成したその文章を読んだ被験者の理解度を測る質問の作成,事後アンケートも作成した.多読学習を一年間行った学生(約200名)を対象に上記の理解度テストを実施する前に,パイロット・スタディとして少人数の学習者を対象に理解度テスト・アンケートを行い,実際にどの要素が理解を妨げているのかを分析し,テストへ修正を加えた.同時に,多読学習に他に組み込む可能性のあるリーダー・シリーズとして,成人向け再教育用図書(Easy Reade for Adults),有名作家による子供のための小説などの種類を検討した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

多読学習に他に組み込む可能性のあるリーダー・シリーズとして検討している成人向け再教育用図書(Easy Reade for Adults)の調査がやや遅れている.理由としては,これらの図書の多くは日本で販売されておらず,入手に時間がかること,年度末に予定していた出版社との協議などが行えなかったことがあげられる.

今後の研究の推進方策

現在検討しているそれぞれのリーダーをGraded Reader, Youth Readerと同じ方法で読み込み,それぞれをリーダーコーパスとしてデータベースに追加する.各種リーダーコーパスのそれぞれの言語的特徴を明らかにし,多読学習への有効性を判断する.また,実証的アプローチの調査を学習者200人対象に実施する体制を整え,実施する.これらのデータを分析し,その結果を踏まえて,多読学習ではGRに加えて,どのレベルで,どのようなリーダーがあれば,「難しさ」の克服に繋がり,さらには英語母語話者用の一般書や学術書 (AT) への架け橋になるのか,提案をする. 研究の成果は広く国内外の学会で発表,論文を出版する.

次年度使用額が生じた理由

今年度パソコンを購入する購入予定だったが,研究が大量のデータを読み込む段階に至らず,現有のパソコンを利用したため.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Implementing a Mobile Peer-evaluation System for In-class Student Presentations2019

    • 著者名/発表者名
      Peter Gobel, Makimi Kano
    • 雑誌名

      APACALL Book Series

      巻: 4 ページ: 137-153

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] プレゼンテーション授業における学習者相互評価モバイルアプリ使用とそれに対する学生の意識について2019

    • 著者名/発表者名
      加野まきみ,ゴーベル・ピーター
    • 雑誌名

      京都産業大学総合学術研究所所報

      巻: 14 ページ: 47-61

  • [雑誌論文] How Japanese loanwords are assimilated into English2019

    • 著者名/発表者名
      Makimi Kano
    • 雑誌名

      MindBrained Think Tank+

      巻: 5-11 ページ: 29-38

  • [学会発表] 多読学習の可能性とMReaderを使った効果的な学習プログラムについて2020

    • 著者名/発表者名
      加野まきみ
    • 学会等名
      FLExICT Expo 2019
    • 招待講演
  • [学会発表] What can corpus linguistics do for the language teachers?2019

    • 著者名/発表者名
      Makimi Kano
    • 学会等名
      JALT CALL
    • 招待講演
  • [学会発表] Japanese EFL learners’ use of online translation as a dictionary substitute in academic writing classrooms2019

    • 著者名/発表者名
      Makimi Kano
    • 学会等名
      GloCALL
  • [学会発表] EFL learners’ use of online translation as a dictionary substitute2019

    • 著者名/発表者名
      Peter Gobel, Makimi Kano
    • 学会等名
      eLex
  • [学会発表] Evaluation of a Mobile Peer-Evaluation System for In-Class Presentations2019

    • 著者名/発表者名
      Peter Gobel, Makimi Kano
    • 学会等名
      CELDA

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公開日: 2021-01-27  

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