研究課題/領域番号 |
19K00882
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
金岡 正夫 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 教授 (00311118)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | PCRV / CDST / spirituality / character forming / public philosophy / wisdom |
研究実績の概要 |
本研究では、(1) Ema Ushioda博士(英国ウォーリック大学)の2つの英語動機づけ理論(A Person-in-Context Relational View (PCRV)and Complex Dynamic Systems Theory (CDST))の融合化と、(2) それを支える① spirituality(価値観、信念を軸にした自己内面性の成熟)、② character forming(人格形成)、③ 倫理、共通善、正義など文化的特性に関わる public philosophyまで捉えた学際性が理論構築の新奇性となっている。この研究にむけ、2年目の活動として<1> (1)- (2) の理論構築(1年目の活動)を継続強化した。学際性の拡充にむけ、③に関して叡智(wisdom)の領域まで包摂した。<2> 1年目に実施した事前アンケート調査(1年次英語授業科目を利用)の分析を経て、アンケートの内容と形式の修正に加え、授業・学習デザインの効果検証も行った。<3> 2年目後半にパイロットスタディを計画通り実施した(同じく1年次英語授業科目を利用)。これは理論構築を踏まえた応用実践レベルに相当し、教育・学習効果を検証した。他方、コロナ禍による移動制限のため、国際学会での発表(計画していた中間成果報告やシンポジウム)は見送りとなった。代わりに3年目(最終年度)の準備を前倒しで進め、<3> のパイロットスタディの検証(アンケートを中心にしたデータ分析)を集中的に進め、最後のパイロットスタディ(3年目)に向け、独自の教材開発を含めた包括的な授業モデルの構築に取り組んだ
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画(2年目)に沿って予定通りに進んでいる。(1)理論構築作業(リサーチ、必要書籍と文献の収集とその整理業務を含む)がスムーズに進んでいること、(2)コロナ禍による授業制限(遠隔方式の導入を含む)と並行しながら対面形式授業を利用したパイロットスタディ(2年目後半)を実践できたこと、それにより信頼性の高いアンケート結果が得られたこと(授業・学習効果と課題点の洗い出しなど)、(3) その検証作業を余裕をもって進められたことがあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
3年目は本研究の理論構築の仕上げに取り組む。それに向け、(1) PCRV - CDST -Spirituality -character forming-public philosophy(wisdomを追加) の学際融合モデルを完成させていく。(2) このモデルの有効性を検証し、批判的考察を加えるにあたり、英語授業を利用したパイロットスタディ(3年目:前期英語授業科目を利用)の導入と分析を終え、これをベースに研究論文の執筆や発表に着手していく。(3)パイロットスタディではこれまで完成させてきた理論メカニズムを適用していく。そして独自教材も導入していく。質的分析にも力を入れ、学習者目線で教育ならびに学習効果を重層的に検証していく。(4) 後半に成果報告書の作成に取り掛かる。国際学会等での成果報告はコロナ禍による移動制限継続のため、オンライン形式の参加と発表を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による国内外移動制限のため、資料収集・情報意見交換、学会発表、シンポジウム企画開催の中止を余儀なくされた。それに係る経費執行が停止状態となっている。今後のコロナ禍の変動によるが、次年度に移動制限が解除された場合、実行に移していく計画を立てている。
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