研究課題/領域番号 |
19K00938
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
巽 由樹子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (90643255)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ロシア / 文化外交 / ミュージアム / 昭和 |
研究実績の概要 |
2021年度もコロナ禍によりロシア渡航が難しく、年度末2月のウクライナ侵攻とその後の日ロ関係の悪化により、現地に赴いての調査がさらに困難になった。しかし、日本国内の史料で分析可能な課題については、相当程度に進捗することができた。まず、2021年10月にロシア史研究会年次大会にて「昭和のロシア:戦後の日ソ文化外交の歴史的分析に向けて」と題したパネルを実施した。同年12月に、このパネルの参加者を中心とするミーティングの機会を持ち、ソ連の対日外交によって昭和期の日本でいかにロシア・ソ連文化が権威化していったかを諸芸術分野から具体的に明らかにし、論文集を刊行する計画をまとめた。この際、巽は美術について担当することとした。2022年3月には、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターで、「昭和のロシアー日ソ文化外交と 戦後日本のロシア観形成に関する研究」と題する研究報告会を実施し、「1970-80年代日本へのソ連美術紹介:三越と西武の役割を通して」という口頭報告をした。そこで受けた批判やコメントを反映しながら、これを論文にまとめ、国際的な学術誌に投稿することが次年度の目標である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィールド調査の困難に直面する中で、日本国内の史料で遂行可能なテーマを設定し、自身及びグループによる研究として実績をあげることができたから。
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今後の研究の推進方策 |
「昭和のロシア」と題した研究会を軸として、ソ連の外交戦略を通じた日本でのロシア・ソ連の文化の権威化の過程を具体的に分析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
国外出張ができなかったため、旅費と想定していた経費分に残りが出た。
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