研究課題/領域番号 |
19K01081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
城戸 照子 大分大学, 経済学部, 教授 (10212169)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | コマッキオ / ラヴェンナ大司教 / 製塩 / 塩商業 / アドリア海沿岸部 |
研究成果の概要 |
(1) コマッキオは10世紀前半にヴェネツィアとの抗争に敗れ、一度は地中海商業の「結節点」の地位を失う。その後、製塩と養魚場をもとに再定住が進み、デルタ地帯の在地経済を支える小都市として持続可能な成長を遂げた。ヴェネツィアの商業機能とはすみわけて共存した。(2) ラヴェンナ大司教とポンポーザ修道院は、第一には所領経営に基盤を置く農村領主だが、前者は11世紀以降、製塩地チェルヴィアとその塩商業に関心をもち支配下に置いた。(3) イタリア半島東側のアドリア海沿岸部は”non-Frankish World”「非フランク的世界」であり、その地の小定住地はビザンツ帝国の政治的社会経済圏の影響を受ける。
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自由記述の分野 |
初期中世イタリア社会経済史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、2000年代以降のヨーロッパ歴史学界の研究動向に基づく。研究代表者は、重要な研究動向を以下3点と考え、新しい分析視角を提示した。成果物の発表には、学術的意義がある。(1) 考古学的発掘資料の増加と公開(Webサイトでの閲覧可能性も向上)により、定住史研究(都市-農村関係を含む)が飛躍的に進んだ。(2) 21世紀には旧東欧諸国の歴史がイタリア半島史と接合され、とりわけイタリア半島東側のアドリア海沿岸地域の歴史が注目されている。(3) 森林や沼沢地、干潟といった非耕作地(特に小麦などの穀物栽培ができない土壌)が、農村全体のいわばエコシステムに組み込まれて均衡を保っている。
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