研究課題/領域番号 |
19K01086
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
中島 浩貴 東京電機大学, 理工学部, 講師 (00599863)
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研究分担者 |
丸畠 宏太 敬和学園大学, 人文学部, 教授 (20202335)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 戦争肯定論 / 民衆 / ふつうの人々 / 軍事雑誌 / 在郷軍人会 / 軍事団体 / 近未来戦争小説 |
研究実績の概要 |
世界的なコロナウィルスの蔓延によって、当初予定していた訪独調査が不可能となったため、令和2年夏に予定していた訪独調査は延期した。また、国内の移動についても大幅な制約を課せられたため、いままで収集してきた史資料を土台とした研究活動を行ってきた。
本研究に関する研究として、論文1本(丸畠宏太「作家ルイ・シュナイダー(Louis Schneider)と軍事雑誌『兵士の友(Soldatenfreund)』―下からの軍事化の原風景か?」『世界史研究論叢』第10号、世界史研究会、2020年)、研究ノート1本(中島浩貴「「兄弟戦争」としての普墺戦争」『軍事史学』軍事史学会、第56巻2号、2020年)を報告した。日本クラウゼヴィッツ学会研究大会(令和2年10月17日、Zoom開催)でも、研究報告「クラウゼヴィッツ時代の軍事コミュニティ」(中島浩貴司会、15:20-16:20)の報告を行った。また、本研究に関連する報告として、中島浩貴「軍事的学知の公共圏―1870 年代におけるドイツ語圏軍事文献の射程」(基盤研究A「19世紀を中心とした軍事的学知をめぐる人と書物の交錯」研究集会において、2020年7月18日19:00-22:00)を行った。
また、本年度の科研集会として、令和2年12月6日日曜日13-16時(Zoom開催)議題において、令和二年度の研究遂行状況の確認、令和三年度への予算引継ぎ、研究期間の延長、訪独調査について、等の話し合いを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍によって予定していた訪独調査ができず、また緊急事態宣言などで、国内移動に際しても多くの不安が付きまとうことになり、多くの研究会、学会が延期、中止になったことによる。また、オンライン授業など、新規の授業準備などが重なり、研究計画全体の遅延を余儀なくされたが、令和2年夏ごろより、現状での環境に対応するべく徐々に体勢を立て直している。現在ではシンポジウム開催や論文執筆に向けての準備を行っており、令和3年度に論文や講演での報告を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍のため、令和3年度完遂の訪独調査のめどが立たない状況のため、研究期間の延長を申請する予定である。令和元年度の訪独調査で獲得した史資料の分析を継続中である。本年度中の論文の作成や研究発表を準備している。今後は、渡独しての資料収集が可能であるか、もしくはドイツの研究者との連携を強めるなかで、史資料の収集ができないかを慎重に判断しながら計画を修正していくことを考えている。 今年度はドイツ、フランス、イギリスの民間における戦争論を比較研究するシンポジウム(令和3年10月を予定)を準備している。このシンポジウムでは、第一次世界大戦前のイギリスの近未来戦争小説に関する研究を行っている同朋大学の深町悟氏(イギリス文学)、フランス第三共和政期にフランス在住ユダヤ人の内で広まったフランス・ナショナリズムを研究する成城大学の鈴木重周氏(フランス文学)を招聘したシンポジウムとなる予定である。また、これに加えて別途「戦争と小説」に関する研究講演会の開催などでの予算執行も計画中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によって、ドイツへの研究出張旅費を使用できなかったため、予算を繰り越している。令和3年度中に訪独調査が可能かどうか現状では不確定であり、令和4年度への研究期間の延長および、ドイツの現地研究者との連携による資料収集や文献購入の可能性も検討である。また、国内外の研究者との連携を強めるなかで、シンポジウム、研究講演者への謝金支払いも計画している。
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