研究課題/領域番号 |
19K01086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
中島 浩貴 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00599863)
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研究分担者 |
丸畠 宏太 敬和学園大学, 人文学部, 教授 (20202335)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ドイツ史 / 軍事史 / ふつうの人々 / 軍事雑誌 / 在郷軍人会 / 軍事団体 / 近未来戦争小説 |
研究成果の概要 |
第一次世界大戦以前に戦争がどのように描かれ、民衆がそれをどう受容したのかを考察することにより、当時のドイツ社会で仮想敵国への敵意や戦争に対するイメージがいかに増幅されたかを明らかにした。 ①軍事著述家や民間の著作類を分析するなかで、第一次世界大戦以前に戦争が様々な文脈や意味をもつ場として機能していた状況が明らかとなった。また、ドイツの戦争認識が他国の戦争実践や状況認識、対応を比較検討するなかで受容されていった状況が明らかとなった。 ②大衆小説などのポピュラー・カルチャーのレベルで、民衆が戦争を受け入れる素地が形成され、「社会の軍事化」が中長期的なスパンで構築されていった状況が明らかとなった。
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自由記述の分野 |
ヨーロッパ史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第一次世界大戦前のドイツを事例として、戦争を肯定的にとらえていく世論形成がいかなるメカニズムで形成されていくのかという基礎的構造の一端が明らかとなった。戦争についての語りが社会で一般的なものとなり、戦争を肯定する主張が受け入れられていくプロセスとして、戦争学が専門化してくプロセスと並んで、大衆メディアで戦争情報が積極的に受容される素地が構築されていった状況がみられる。また、戦争観を共有していくプロセスのなかで、他者認識の重要性が明らかとなった。ドイツの事例をもとに、一般的な戦争防止の観点から考察するならば、多国間の戦争肯定論の相互エスカレーションを防ぐ可能性が明確になると思われる。
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