研究課題
基盤研究(C)
本研究計画の目的は、ルーティン・アクティビティ理論や防犯環境設計の考え方に対して、犯罪発生と、その周辺の時間帯別滞留人口及び物理的な景観特性との関連性を統計解析することで、これら犯罪理論の実証研究を実現することである。「地理的ビッグデータ」として、携帯電話の位置情報に基づく時間帯別滞留人口や景観写真画像判読の成果を用いて、犯罪発生地点周辺の社会的・物理的環境特性との関連性を分析し、犯罪リスクの地理的分布を評価した。
人文地理学
本研究成果で得られた知見は、現在、検討段階ではあるが、新たな「地理的ビッグデータ」を援用することで、都市の時間帯別の人口動態の見地から、これまでに提示されてきたルーティン・アクティビティ理論の実証した点である。このような犯罪理論の実証研究は、犯罪リスクのマッピングを行う上でも、警察や住民の防犯活動を支援する上でも重要な意義がある。今後、分析手法の精緻化を進め、時間帯別に街頭犯罪の発生傾向が地理的に把握・予測できるようになれば、より効果的な防犯対策資源の配分へと結びつくと考えられる。