研究課題/領域番号 |
19K01198
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 吾郎 大阪大学, COデザインセンター, 准教授 (20583991)
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研究分担者 |
山森 裕毅 大阪大学, COデザインセンター, 特任講師(常勤) (00648454)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自然と文化 / 構造主義 / 人類学史 / 哲学史 / 技術 / 環境 |
研究実績の概要 |
今年度は、4月のプロジェクト開始以降、月に一回のペースで研究会を実施し、共同研究者とともに研究プロジェクトの方向性の確定、および基本的な問題意識の共有を図った。現代哲学に対する人類学の影響を検討することを関心の出発点とし、そこから検討すべき文献、事例、そして成果物のイメージ(出版・公刊の媒体)について確認した。具体的には、1年間で計10回の研究会を実施し、以下のテクストの検討を中心に行った。T. Ingold "Perception of the Emvironment"、L.H.モーガン『古代社会』、C.レヴィ=ストロース『神話論理Ⅰ』、C.レヴィ=ストロース『われらみな食人種』、E.ヴィヴェイロス・デ・カストロ『食人の形而上学』、C.レヴィ=ストロース『親族の基本構造』。これらは、いずれもジル・ドゥルーズ『アンチ・オイディプス』の第Ⅲ章の読解に深く関わっており、今後、ドゥルーズの当該テクストを参照点とした共同研究を進めていく意義とその重要性を確認した。また、これに付随して、文化人類学のほかに精神分析の近年の議論と問題意識が哲学および人類学に与えた影響の重要性が明らかとなったため、次年度以降、精神分析に関する検討を適宜踏まえながら研究を進めていくこととした。研究プロジェクト自体の重要性と広がりが明らかになったことから、最終成果物として、関係する研究者を含めた学術誌上での特集企画を想定し、次年度以降、そのテーマや論点についてさらに検討をすすめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画のとおり研究会を実施することができ、基本的な文献の精読とテーマの設定について順調に進捗している。最終成果物のイメージについては、学術誌での特集を組む想定で議論が進んでおり、具体的なテーマや関係する研究者との交流もすすめている。また、来年度以降に研究会で扱う基本文献についても目処が立っており、哲学と人類学の共同研究を具体化するための計画をたてることができた。具体的な事例の検討については、山崎・山森の両者ともすでに調査の蓄積があり、研究会を通じて活発な意見交換を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
初年度から継続して、月1回程度の研究会を実施し、文化人類学・哲学の両面からその交差する関心を浮き彫りにする作業を行う。研究会への参加者を外部からも募ることで、より広い範囲から本プロジェクトの意義を明らかにする作業に取り組む。その一環として、哲学と人類学の研究交流を促進する目的で、公開ワークショップを企画し、本プロジェクトの取り組みの意義を見直すとともに、今後の協力者を募る。今年度中に、最終成果物となる雑誌特集号のテーマ、出版時期等について、具体的な検討を進める。また、論文の執筆や学会発表については、個別に進めることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
差額は誤差の範囲(端数)であり、全体として当初の計画どおりに執行している。
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