研究課題/領域番号 |
19K01198
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 吾郎 大阪大学, COデザインセンター, 准教授 (20583991)
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研究分担者 |
山森 裕毅 大阪大学, COデザインセンター, 特任講師(常勤) (00648454)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自然と文化 / 構造主義 / 技術 / 環境 |
研究実績の概要 |
2年目となる2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内学会への参加(国内出張)、現地調査(国内出張)、国際学会への参加(国外出張)の予定を大幅に変更またはキャンセルせざるを得ない状況となった。この結果、とりわけ予算執行計画の面で大きな修正が生じた。研究活動を進捗させるため、一部活動の方針を転換し、オンラインを活用した研究会や、少人数での研究会をベースとした活動に重心を移した。 当初予定していた対面での研究会は、少人数であったことから計画のとおり実施することができた。対面での研究会を月に1回、合計12回実施し、レヴィ=ストロース『神話論理』をはじめ、基本的なテクストの検討について予定どおり進めることができた。予定していた学会でのパネル企画については、感染症拡大の状況に鑑みて、オンラインの公開研究会のスタイルに変更し、2020年12月、2021年1月の二回実施した。それぞれ30人~50人程度の参加者があり、一定の成果があった。 オンラインでの企画を通して、哲学、人類学に加えて、社会学や科学技術社会論といった近接分野の研究者との接点が生じ、「現代人類学と哲学の知的交錯」をテーマとした論集の企画について検討する機会が生まれたことは、大きな前進である。出版企画については、最終年度となる2021年度に、本プロジェクトの成果物として公刊できるよう準備を進めている。 また、本プロジェクトから派生するテーマ系として、現代の人類学と哲学とが向き合う問題に「マジョリティ論/マイノリティ論」の再考があることについて、共通する問題意識が生まれ、本プロジェクト終了以降の新たな研究テーマ、ないしは発展的継続のアイデアを得ることができたことも進展といえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた研究会(計12回)は、すべて予定通りに実施することができ、構造主義の歴史に関する哲学・人類学の理解を契機として、最終年度の成果物公刊にむけて準備を進めることができた。新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けて、予定していた学会発表等の機会がなくなったこと、現地調査が困難になったことは、結果的に文献研究へと舵を切らざるを得なかったことは大きな変更点であるが、最終年度に向けて成果物を論集として公刊するための具体的なスケジュールを共有できたことは、前進であったといえる。 次年度も、今年度同様、感染症の拡大状況を考慮して研究計画を立てる必要があり、とりわけ成果物となる論集の公刊準備、および新たな研究計画の策定に力をいれることになる。それぞれの準備について、今年度中に一定の目処をつけることができたことは、順調な進捗であったといえる。
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今後の研究の推進方策 |
感染症拡大により対面とオンラインを使い分けながら、研究を実施することを想定している。少人数での対面の研究会は、予定通り年間10回程度実施する。加えて、最終年度である2021年度中に、成果物となる論集の公刊を目指す。すでに出版社との調整も進めているため、これまでの研究成果のまとめることに力をいれる。 本プロジェクト終了後の、次の研究テーマの発掘についても、これまでの議論のなかから、「マジョリティ論/マイノリティ」、「人類学とSTS」といった新たな研究テーマへの発展的な展開の萌芽がみられ、具体的な活動計画が生まれつつある。こうした活動をさらに促進させ、本プロジェクト終了後の発展的な研究計画を策定することも、今後の課題である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、各種学会への参加、現地調査等の予定がすべてが中止となり、旅費を使用しなかったことが理由である。特に、国際学会への参加をとりやめたことにより、想定以上の次年度使用額が生じた。 2021年度は、感染対策を行ったうえで可能な限り旅費を伴う活動を再開すること 、またテクストの検討に重点をおくことで資料購入の必要が生じるため、文献研究のために必要な経費として計上する計画である。
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