本研究では、東日本大震災、インド津波のインドネシア、フランス熱波の3つの巨大災害において、社会が犠牲者の遺体にどのように対処しているかを調査した。遺体の処理、埋葬、犠牲者の追悼式や記念碑、生存者の心理的サポートなど多岐にわたった。生存者、犠牲者の家族、第一応答者、宗教指導者、葬儀屋、犠牲者の遺体を処理する自治体などを対象に質的調査を実施した。また、行政などのアーカイブ調査も行った。このデータから、異なる文化や社会における、このような「大量死事件」の取り扱いの成功と失敗を明らかにすることができた。本研究で得られた教訓は、今後南海地震や東京地震で数万人の遺体を処理するための準備に役立つと思われる。
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