研究課題
研究期間全体を通じて、欧米での社会的排除の理論と日本での具体的問題への適用に関しての知見を深め公表することができた。本研究を通じて、経済的な概念として理解されている「社会的排除」という問題に対して、法学的観点を付加することができた。基礎的な研究としては、論文集『人権と社会的排除』において5本の研究成果を発表し、具体的な事例に関しては日本におけるヤングケアラー問題を取り上げ、複数回の研究会を行い成果をあげた。研究会においては、学者のみならず弁護士といった実務家も参加することにより、理論と実務の垣根を越えたものとなった。最終年度においては研究代表者の淡路智典(東北文化学園大学)がベルリンに赴き調査研究を行いそれをもとに論文「ヤングケアラーと社会的排除」を公表した他、杉山有沙(帝京大学)がオンラインでの国際学会での報告及び単著『障害者の自律/自立と憲法-「自立生活」論から「自律の保障」を問いなおす』を公刊した。新型コロナの影響により、当初2名が海外へ赴きそこでの知見を共有する予定であったが1名のみとなり、時期に関しても大幅に後ろ倒しになり最終年度の1月となってしまったため、成果といえるものが論文のみとなってしまった。本来であれば、知見を共有するために研究会等の開催を計画していたが、補助期間の残り期間との兼ね合いで実現できなかった。補助期間を全体を通してみると、研究会のオンライン化が進んだことにより、旅費を使わないかたちでの実施や弁護士といった実務家の参加を容易にすることができた点は想定外の成果として挙げられる。
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経営法学論集
巻: 3巻1号 ページ: 3-15