研究課題/領域番号 |
19K01373
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
澁谷 彰久 山梨県立大学, 国際政策学部, 教授 (40550463)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 意思決定支援 / 支援付き意思決定 / 経済的な高齢者虐待 / 後見制度支援信託 / 後見制度支援預金 / スペシャルニーズトラスト / 成年後見法 / 信託法 |
研究実績の概要 |
3年目(2021年度)の研究計画では、海外モデルの調査・比較検討(後見・信託制度と金融機関の調査と実態把握)のため、アメリカミズーリ大学コロンビア校(デイビッド・イングリッシュ教授)、金融機関(ミッドランドバンク(信託銀行))での研究調査を行う予定であったが、新型コロナ感染症のため、昨年同様海外調査活動は断念し、関係する資料調査を行った。 研究成果の発表のための論文作成を行い、以下の論文を公表した。 (1)「「預金口座」の法的性質と救済としての信託法理」(361~383頁)『高齢社会における民法・信託法の展開 : 新井誠先生古稀記念論文集』(日本評論社:2021年12月)本論は、信託法理による特定目的のための、専用口座の法的問題点について、近時の預り金をめぐる判例法理と、ドイツの「特別口座」の法理を紹介し、検討した。また、このような預金口座の法的性質を明らかにすることにより、意思能力の減退した本人を支援するための「専用口座」について、金融実務上の課題に言及した。 (2)「後見制度支援信託の再構築と信託法理(第8章)」『成年後見・民事信託の実践と利用促進 新井誠先生古稀記念論集』(日本加除出版:2021年11月)本論は、後見制度支援信託導入の背景は、親族後見人による本人預金への横領等の不正行為を裁判所の関与により制度的に防止するものであったが、一方で、民事信託制度に対する期待と共に、その法的課題や実務上の問題点も多く出されている。本論において、本来の信託機能を活用した支援信託の在り方と、利用促進のための改善策を提言した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外調査の中止。ただし、研究内容の分析やとりまとめ及び中間成果の発表などは予定通り。
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今後の研究の推進方策 |
Webによる方法等により海外調査の代替手段を検討し、調査資料の収集を行う。その上で前年度調査で問題となった点や課題を明らかにする。最終報告書へ向けての論点整理とまとめの作業を並行して行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型感染症等により海外調査研究の計画が予定通り進捗しなかったため。 次年度の研究計画を見直し、代替手段により成果発表につなげる。
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