研究課題/領域番号 |
19K01437
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
橋谷 聡一 大阪経済大学, 経営学部, 教授 (20632706)
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研究分担者 |
古賀 敬作 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (10734535)
四條 北斗 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (60648046)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 民亊信託 / 専門家責任 / 障がい者信託 / 福祉型信託 |
研究実績の概要 |
研究代表者の橋谷は、「民事信託支援業務と司法書士の責任-東京地裁令和3年9月17日判決を題材に-」市民と法No.135(2022)22-42頁を執筆した。本稿は信託についての専門性をうたう司法書士が民亊信託の設定等について支援したが紛争が生じた事案を素材として民亊信託の設定を支援する側の義務及び責任について論じたものである。 研究担当者の古賀は、「<研究ノート> イギリスにおける障がい者信託(disabled person’s trusts)と課税に係る研究序論(2)」大阪経大論集73巻6号(2022)141-154頁を執筆した。福祉と信託の文脈において、租税法域では、扶養義務者死亡後の障がい者の生活の安定を図るために、相続税負担の軽減措置を講じている。相続税法21条の4は、「特定障害者に対する贈与税の非課税」措置を講ずるが、信託税制との関連性が不分明である。高度に発達した信託税制を有しているイギリスにおいては、障がい者信託(Trusts for disabled persons)税制が、2012年の福祉改革法(Welfare Reform Act)機に発展的に構築されている。福祉(型)信託においては、受益者である障がい者等に対して税負担を避けるべく、健常者である委託者又は受託者がみなし受益者又は特定委託者となり、課税を受けることが望ましいという、従前の研究スタンスの維持しつつ、当該障がい者信託税制における相相続税とキャピタルゲイン税ないし所得税のとの関係に係る法構造の仕組みを、受託者の課税上の地位に着目して、裁判事例を紹介しつつ紐解いている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績で述べた通り、2022年度は研究テーマに即した論考を公表することができており、進捗は順調であると思料する。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の延長を申請しており、2023年度研究最終年度を迎える。そのため、研究の総括論考を示す予定である。 また、研究代表者(橋谷)が台湾(中華民國)で在外研究中であり、現地における専門家の信託についての関与について調査中であり、これを反映させる予定である。 研究担当者(四條)が所属する学会において学会報告を行う予定であり、意見を踏まえてより有意義な成果としたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年9月から橋谷が在外研究に従事することとなり、国内文献等に係る研究費の執行が大きく停滞することとなった。 その一方、2023年度においては、学会での発表や総括論考の公表に向け研究費がかさむことが予見される。
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