本研究は、主に地方紙を中心とした文献調査によって、九州電力の川内原発、玄海原発と、四国電力の伊方原発の再稼働事例を比較検討することで、①原発再稼働過程に共通する局面を類型化し、②再稼働の合意形成における共通する要素を特定した(出水「伊方原発再稼働への同意をめぐる自治体政治過程の事例分析」)。さらに③検討の結果、知事選挙において再稼働問題は、実質的な争点にはならないことが明らかになったため、この点については論文などにまとめられなかった。以上を踏まえ、本研究は、原発再稼働という争点をめぐる自治体内、および自治体間の合意形成の三事例の比較検討を通じて、自治体政治過程研究の発展に貢献できたと言える。
|