本研究では,中央値に基づく新たな不平等指標を考案し,MCMC法を用いて推定するためのアルゴリズムを開発した.開発した指標や計測方法をいくつかの日本のデータに適用した.
中央値を含めて分布の分位点を扱ったテーマとして,2時点間の分布の変化を考慮したgrowth incidence curve (GIC) がある.Ravallion and Chen (2003) が導入したGIC,及びSon (2004) によって導入されたpoverty growth curve (PGC) の詳細な検討を行った.また,PGCの計算方法を富裕層に適用したrich growth curve (RGC) を提案した.
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