本研究は、消費税施策を確かな根拠に基づいて行うため、日本の消費税について複数個票データを補完的に用いた実証分析を行った。 複数調査の個票を組み合わせて実証分析に取り組んだ結果、①消費税に関する経済学者と国民一般の認識には隔たりがあり、経済学者は消費税に肯定的であるのに対し、国民はそれに否定的であること、②そうした認識ギャップには接する情報メディアの影響が見られ、新聞等で経済情報に接する個人程消費税を受け入れる傾向が強いこと、また③アベノミクス期以降の消費性向の低下は消費税率引き上げの結果ではないこと、③消費税負担は世帯の豊かさとはほぼ無関係であり、消費税は中立税であること等を明らかにした。
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