研究課題/領域番号 |
19K01735
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
影山 正幸 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (50516903)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マルコフ決定過程 / リスク測度 / Uncertainty Theory |
研究実績の概要 |
幾つかのリスク測度を効用関数として捉えた最適方程式の導出を行った。主として経済データ(株価、GDP)を活用した人間の意志決定の不確実性も考慮した実践的な研究を遂行した。旧来のファイナンスでは、データのみに注目している研究が大多数であるが、マーケットで売買する人間の意志決定の不確実性も考慮したモデルを考えるために、B.Liu(清華大学)により提唱されているUncertainty Theoryをモデルの中に組み込むことを考え、実証分析では、種々の経済指標(ビッグデータ)を利用したMCMCによるリスク値(Value at Risk、Conditional Value at Risk)の近似値の推定を行い理論値との比較を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進行しており、今後はベイズ推定の枠組みの中で強化学習によるパラメータの推定を研究していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
確率最適化問題において、一般的には与えられた制約条件の下で最適な政策を見つけることが主眼になることが多い。しかし、現実問題(在庫問題、行商人問題、古典的秘書問題など)を対象とした場合、事前に正確な確率分布を同定することは不可能に近い。よって、古典的な統計学的推論では特定の確率分布の族を仮定したパラメトリックな手法が主流であった。しかし、1990年代から、応用上適応範囲が広いベイズ推定が普及し、現在は人工知能分野の研究に広く活用されている。 今後は、旧来の計量経済学の解析手法を踏まえつつ、確率分布のパラメータがある確率分布に従う(事前分布の想定)というベイズ流の手法で経済データ(株価、為替)の推定モデルの構築を目指す。適切な事前分布の決定方法はいくつか存在するが、今年度はタイプ2fuzzyの手法で事前分布を作成し、サンプルデータから機械学習でパラメータの分布を更新し、事後分布のシミュレーションを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に複数の学会(日本数学会、OR学会)、共同研究者との打ち合わせを予定していたが、コロナの影響により学会が中止になったため、旅費が執行不可能になった。今年度、海外渡航が可能になれば、海外研究者との共同研究を実施する予定。
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