研究課題/領域番号 |
19K01786
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
松本 洋幸 大正大学, 文学部, 准教授 (30757993)
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研究分担者 |
竹内 祐介 首都大学東京, 経営学研究科, 准教授 (30711238)
太田 仙一 飯田市歴史研究所, 研究部, 研究員 (60826147)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 有吉義弥 / 国際海運 / 日本郵船 / 三井ファイト / 海運同盟 / 1950年代 |
研究実績の概要 |
横浜開港資料館で保管中の有吉義弥家文書の整理に着手した(6月12日、6月22日、8月27日、10月31日、12月7日)。同文書の中核となる船主会議記録等を約120点を一点ごとに中性紙封筒に封入し、基本情報を収集して目録化した。また1950年代の船主会議記録等(ノート)の撮影を行った。さらに有吉義弥の日記(タイプ印刷)20冊を複写して、研究会メンバーで情報共有を図った。 次に同文書の整理にあわせて、主に1950年代の「有吉義弥日記」をメンバーで講読する研究会を3度開催(6月22日、8月27日、12月7日)した。当時の日本海運界を大きく揺るがした「三井ファイト」に関する記事が多く、日本郵船の代表として何度も渡英した有吉が、欧州同盟の船主との間で繰り広げる厳しい交渉内容について、毎回有意義な議論が交わされた。また、日記に頻出する人名の特定や、輪読する際の基本参考文献などの情報交換を行った。また同文書に含まれていた「有吉義弥講演原稿」「有吉義弥著作・記事目録」を入力し、逐次データの補充作業を行っているところである。 また調査研究の一環として、国立国会図書館、海事図書館、三菱史料館などで、『THE SHIPPING WORLD YEARBOOK &WHOS WHO 1954~1955』、雑誌『海運』『海運調査月報』、日本郵船株式会社営業部編『欧州航路三井問題解決顛末記録』(日本郵船株式会社、1958年)、三井船舶業務部調査課村上弥寿夫『欧州航路問題の経緯』(1958年脱稿)などの関連文献の収集を行った。 さらに研究成果の一部を、山縣記念財団『日本の海のレジェンドたち』(2020年刊行予定)の「有吉義弥」の欄で紹介する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年明けに、資料整理、研究会、関連資料調査などを予定していたが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴って、横浜開港資料館など資料保存利用機関の休館、外出自粛要請等による研究会の中止を余儀なくされてしまった。また2020年6月に神戸大学で予定されていた社会経済史学会大会で、研究成果の一部を公表することも予定していたが、同大会も中止となったことから、予定を大幅に変更せざるを得ない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
まずはコロナウィルスの感染が終息するまでは、有吉義弥の著作目録の完成、ネット等で収集可能な文献の収集・整理、有吉義弥日記の読み込みなどに注力する。 感染が終息し、関連機関の開館を待って、本年度中に可能な限り資料整理に全力を注ぐことにしたい。また研究会を継続し、次年度に向けて研究メンバーの具体的な研究テーマを挙げて研究活動の促進を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度当初に資料整理業務のために雇用を予定していた大学院生が退学したため、謝金・人件費に余剰分が出てしまった。また年度末に予定していた研究会、資料整理、関西方面の資料整理等がコロナウィルスの感染拡大にともない中止となったため。
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