研究課題/領域番号 |
19K01786
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
松本 洋幸 大正大学, 文学部, 准教授 (30757993)
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研究分担者 |
竹内 祐介 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (30711238)
太田 仙一 飯田市歴史研究所, 研究部, 研究員 (60826147)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 有吉義弥 / 国際海運 / 日本郵船 / 三井ファイト / 海運同盟 |
研究実績の概要 |
①横浜開港資料館で保管中の有吉義弥家文書の整理を継続して行った(8月1日、9月12日、9月13日、3月20日)。同文書の中核となる船主会議記録等やビジネスダイアリー、自筆原稿類などを中性紙封筒に封入し、基本情報を収集して目録化した。ほぼ概要目録が完成した(約420点 アルバム類を除く)。 ②三菱史料館および海事図書館、国立国会図書館等で関連資料の調査収集を行った。 ③また1950年代の「有吉義弥日記」をメンバーで講読する研究会や打合せ会をオンラインで開催した(7月19日、9月18日、11月15日、3月19日)。当時の日本海運界を大きく揺るがした「三井ファイト」に関する記事が多く、日本郵船の代表として何度も渡英した有吉が、欧州同盟の船主との間で繰り広げる厳しい交渉内容について、毎回有意義な議論が交わされた。日記に頻出する人名の特定や、輪読する際の基本参考文献などの情報交換を行った。 ④また同文書に含まれていた「有吉義弥講演原稿」「有吉義弥著作・記事目録」をベースにして、有吉義弥の著作目録を作成し(約510件)、そのうちの207件を複写等で収集した。 ⑤上記の活動を踏まえて、太田仙一氏が「三井ファイティングと日本郵船ー有吉義弥家資料を活用した1950年代における日本海運業の再検討ー」(経営史学会第62回全国大会、2020年12月5日)と題して学会報告を行ったほか、松本洋幸が「有吉義弥」(山縣記念財団80周年記念出版編集委員会編『日本の海のレジェンドたち』海文堂出版、2021年3月)を執筆するなど、研究成果の公表にも努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①新型コロナウィルスの感染拡大に伴って、「有吉義弥文書」を収蔵する横浜開港資料館が年度始めに休館となり、再開館後も来館者の人数制限等により、史料整理に遅滞が生じてしまった。 ②同様に、政府・各自治体による外出自粛要請や、他の資料所蔵機関の利用制限などで、当初予定していた資料保存機関(神戸大学附属図書館)などの資料調査が実施できなかった。 ③研究会・打合せ会については、対面実施が不可能なため、ZOOMによるリモート開催を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウィルスの感染が終息するまでは、資料保存機関への本格的な調査活動は延期せざるを得ない。再開館に向けて、調査内容・資料の絞り込みなどを行っていきたい。 また有吉義弥の著作目録の完成、ネット等で収集可能な文献の収集・整理、有吉義弥日記の読み込みなどに注力する。 有吉義弥家文書の資料整理については、本年度中に公開目録の完成に向けて全力を注ぐことにしたい。 さらに研究会を継続し、研究メンバーの具体的な研究テーマをさらに深めて研究活動の促進を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
資料整理、関西方面の資料整理等が新型コロナウィルスの感染拡大にともない中止・延期となったため。 当面、調査が可能になり次第、すぐに着手できるよう、研究テーマを明確化させるとともに、事前の目録調査等を進める。有吉忠一関係資料については、今年度中に目録を完成させる。また、これまでの研究実績を踏まえて研究成果をまとめながら、報告書の完成に向けて注力していく。
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