サプライヤーにとって、成長戦略の最も重要な軸は、同一産業内での製品範囲の拡大と、顧客範囲の拡大の2つである。しかし、この2つの軸のいずれについても、サプライヤーの経営成果に与えるインパクトに関してこれまで十分な理論的・実証的研究が積み上げられてきたとは言い難い。 本研究では、日本の自動車部品業界を対象に、サプライヤーの製品範囲と顧客範囲の拡大の2つを統合的に考察し、それらと経営成果の関係について定量的・定性的に検証している点がユニークであり、なおかつ自動車部品業界に留まらない、企業の成長戦略一般に通じる普遍的な知見を得られる可能性が高いと言えよう。
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