研究課題
基盤研究(C)
本研究では、多国籍企業による特許管理とそれが国際的な技術移転および研究開発に与えた影響を、第2次世界大戦以前の電機・エレクトロニクスメーカーの事例分析を通して考察した。その結果、特許管理は、国境を超える技術と知識移転のみならず、企業の境界をまたぐ取引をも制御・統制していることが明らかになった。また、特許管理部門は企業内外における技術と知識の流れをグローバルな規模で組織化し、研究開発を促進する役割を果たしていることも明らかとなった。
経営史
特許管理は、技術と知識の流れをグローバルな規模で組織化し、研究開発を促進する役割を果たしている。このような特許管理の機能の発見は、イノベーション研究に独自な視点から貢献するものである。また、企業は新規に財やサービスを創出しイノベーションを主導するために、自社の企業特殊的技能と、社会の技術や研究成果を結びつけなければならない。本研究が明らかにした、技術や情報の流れを組織化し研究開発を促進するという特許管理の機能は、今まさに企業が必要としているものである。