研究課題/領域番号 |
19K01966
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
奥瀬 喜之 専修大学, 商学部, 教授 (30312440)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 価格設定 / 端数価格 / 消費者行動 / マーケティング / 参照価格 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、以下の二点である。 (1)効果的な価格の配置に関する検討を踏まえた学術的・実務的示唆の提示:まず、通常価格などの外的参照価格と販売価格の配置が、消費者の価格知覚に及ぼす影響について検討する。より具体的には、それらの価格の配置(上下、左右)、それらの価格情報を含んだ複数の選択肢(商品情報)の配置(上下、左右)、サイズといった要因が消費者の価格知覚に及ぼす影響について視線動向データを踏まえて検討し、効果的な価格の配置方法について考察する。 (2)効果的な価格の設定に関する検討を踏まえた学術的・実務的示唆の提示:二番目として、価格設定そのものが消費者の価格知覚に及ぼす影響について検討する。具体的には端数価格設定が消費者の価格知覚や実際の選択に及ぼす影響について、非端数価格設定にした場合との視線動向の比較によって検討し、先行研究で示されてきた端数価格設定によるレベル効果やイメージ効果の有無について実証的に検討する。視線動向データを用いた実証分析の結果を踏まえて、端数価格効果の有効性について検討を行う。 研究実施期間一年目である令和元年度は、(1)効果的な価格の配置に関する検討を踏まえた学術的・実務的示唆の提示に関して、所属研究機関の学生などを対象として、価格配置が消費者の知覚に及ぼす影響に関するアイトラッカーを用いた実験を行い、その成果について国内外の学会のワーキングペーパー・セッションや研究会等において、意見交換及び情報収集を目的として、報告を行っていく予定であった。 しかしながら、他の業務が重なり多忙であった上に体調不良であったため、令和元年度はマーケティング研究領域における視線動向研究に関する先行研究のレビューを進めるにとどまり、実験の実施まで至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和元年度は他の業務により多忙であった上に体調を崩したため、申請研究課題を進めることができなかった。 具体的には、価格配置が消費者の知覚に及ぼす影響に関するアイトラッカーを用いた実験を行い、学会や研究会においてその成果について報告を行い、意見交換を図っていく予定であったが、実験の実施にすら至ることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、令和元年度中に終えることのできなかった研究活動から順に実施していく。 具体的には、視線動向に関する先行研究についての調査をまとめた上で、価格配置が消費者の価格知覚に及ぼす影響に関するアイトラッカーを用いた実験を行っていく。続いて、実験の結果を踏まえて、裏づけを得るための質問紙調査による実験を実施する。これらの実証研究の結果をもとに研究成果の報告を行い、論文投稿を行う。また、端数価格設定が消費者の価格知覚に及ぼす影響に関するアイトラッカーを用いた実験を行い、更なる仮説の構築を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度は体調を崩したことにより研究が進まなかったため、令和2年度使用額が生じた。令和2年度は令和元年度の研究費の残額と合わせて、実証分析に資するデータ収集のために使用する予定である。 具体的には、主に(1)価格配置が消費者の価格知覚に及ぼす影響に関するアイトラッカーを用いた実験調査、(2)価格配置が消費者の価格知覚に及ぼす影響に関する質問紙調査による実験調査(ウェブ調査)、(3)端数価格設定が消費者の価格知覚に及ぼす影響に関するアイトラッカーを用いた実験調査に支出する予定である。
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