研究課題
本研究の目的は、需要変動が激しく、かつ在庫費用が莫大な自動車産業において、国内外の遠隔地に立地する組立工場に対して、部品サプライヤーがどのように空間的懸隔を克服しJIT生産を達成しているのか、各メーカーおよび調達物流を担う物流企業のロジスティクス戦略に着目し、ヒアリング・現地調査およびデータ分析を通じてその仕組みを明らかにすることである。2023年度は、以下の2点を行った。(1) (2022年度からの継続で)日本国内の遠隔地に立地の組立工場を対象に、部品調達における輸送手段選択(モーダル・チョイス)に関する事例調査結果を纏めた。具体的には、自動車組立メーカーによるフェリー・RoRo船(内航海運)の利用は、当該サービスの利用可能性やその頻度よりも、荷主(この場合、組立メーカー)の在庫戦略や生産システムに制約されることを示した。本論文の改訂を行い、国際学術雑誌に投稿した(現在は査読中)。(2) (同じく2022年度からの継続で)欧州を拠点とする自動車組立メーカー2社を対象に、フランス・セーヌ川下流に位置する自動車部品混載センター(Parts Consolidation Centres: PCC)から新興国組立工場への部品調達に関する事例調査結果を纏めた。具体的には、自動車生産における技術革新や自動車の電動化を通じて、貨物輸送が高度化する機会をPCCが提供することを検証した。本論文の改訂を行い、学術書の一章として掲載された。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
Maritime Ports, Supply Chains and Logistics Corridors
巻: - ページ: 87~96
Reconnecting ASEAN: The Impact of the COVID-19 Pandemic on Trade, Transport, E-Commerce and the Mobility of People
巻: - ページ: 117~142