研究課題/領域番号 |
19K02050
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 十文字学園女子大学 |
研究代表者 |
大友 由紀子 十文字学園女子大学, 社会情報デザイン学部, 教授 (00286121)
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研究分担者 |
中道 仁美 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (30254725)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 女性農場経営者 / 家族農業 / 農場譲渡契約 / 夫婦共同農場所有 / ジェンダー / オーストリア / 女性農業後継者 / 農業後継者の妻 |
研究成果の概要 |
オーストリアでは男子優先の世代継承を伝統とする家族農業が営まれてきたが、現在では農場経営者の31%は女性で、女性農業者の64%が農場を所有する。民法では均分相続だが、農場相続には一括相続の特則を定め、農場の分割を極力禁じている。親の老齢年金受給に際して農場譲渡契約を結び、その時、後継者に配偶者があれば夫婦共同所有にしてもよい。女性農業者14名に半構造化面接をした結果、女性後継者は社会化の過程で農業教育を受けているのに対し、後継者の妻は、農業の専門資格を取得して農業資金を調達するなど、農業経営に貢献していないと、共同経営者ではあっても共同所有者ではなかった。女性の農場所有にはなおハードルがある。
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自由記述の分野 |
家族社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
農山漁村の女性に関する中長期ビジョンから30年が経過し、成果と課題が検討されている。また、2024年には食料・農業・農村基本法が改正される。このタイミングだからこそ、家族農業とジェンダーを国際的視点から論じる必要がある。男子優先の世代継承を伝統とする家族農業であっても、女性の経営参画が進むオーストリアの事例から、女性の農家継承と土地所有について調査研究した意義は大きい。オーストリア連邦機関で女性活躍による地域開発を研究する外国人研究者と共同研究することで、コロナ禍にありながらも、研究成果を公開講座でアウトリーチするとともに、世界農村社会学会で成果報告し、共著論文を国際的な学術雑誌へ投稿出来た。
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