研究課題/領域番号 |
19K02107
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
角田 隆一 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 准教授 (80631978)
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研究分担者 |
木村 絵里子 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (60710407)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 写真 / Instagram / ヴィジュアル・コミュニケーション / セルフ・イメージ / ライフスタイル・イメージ |
研究実績の概要 |
研究の初年度である本年は、まず、研究協力者として加わって頂いた荒井悠介氏(一橋大学[当時])を交えての本研究課題の内容確認を4月におこなったあと、以下のように、月に1,2度のペースで研究会を開催して、現代的なヴィジュアル・コミュニケーションと〈自己メディアとしての写真〉文化の「現実構築」領域における先行研究の批判的検討ならびにドキュメント・データ分析の研究発表と研究作業を繰り返した。 5月は、荒井氏による2000年代以降における特徴的な外見表象の若者文化についての研究報告、6月は、初旬に角田隆一を中心とした久保友香『「盛り」の誕生』(太田出版)の検討会、下旬に角田隆一によるインスタグラム文化にみる再帰的自己論の研究報告、7月は、中旬に木村絵里子による「セルフ・イメージ」部門のドキュメント(雑誌)分析の成果報告、下旬に「ライフスタイル・イメージ」部門のドキュメント(雑誌)分析作業(角田隆一)と「セルフ・イメージ」部門のドキュメント(雑誌)分析作業(木村絵里子)をそれぞれおこない、8月には、木村絵里子による「セルフ・イメージ」部門のドキュメント(雑誌)分析の成果報告(二回目)、10月には、角田、木村、荒井による三浦展・天笠邦一『露出する女子、覗き見る女子』(ちくま新書)、天野彬『SNS変遷史』(イースト新書)、米澤泉『筋肉女子』(秀和システム)の検討会、12月には、高橋幸氏(日本女子大学)を招いてミスキャンパス論の研究報告からジェンダー論的観点からの「見る-見られる」関係について理解を深めるとともに、そのほかに木村による「セルフ・イメージ」部門のドキュメント分析の成果報告(歴史社会学的考察)をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題にきわめて密接に関係する書籍が多数刊行されたことを受け、これら文献の検討会を頻繁に開催できたことは、本研究課題の意義や枠組をより明確化することができた点で有意義な成果であった。また、荒井悠介氏、高橋幸氏、という各領域において第一線で活躍する若手研究者の両氏をお招きして議論を重ねたことにより、研究計画当初より多角的な観点を獲得して研究に取り組むことができた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度末から本格化している新型コロナ感染拡大という事態を受け、当初計画していたインタビュー調査の実施が難しくなったが、研究分担者とこの問題と今後の方向性について持続的に検討した結果、その欠いた部分をドキュメント分析を強化することで補填する方向性で進めていくことになった。 また、研究分担者が新年度から大学の常勤ポストに就くこととなり、着任初年度による研究時間の大幅な減少が見込まれる。よって今年度は当初計画における研究分担者と研究代表者との間で分担研究作業の増減や入れ替えの調整をおこなって対応するが、しかし同時に遠隔ミーティングツールを積極的に活用することで、半日などではなく空いたわずかな時間に議論を細やかに重ねていくことで、研究が大きく滞らないよう協力体制を築けるようにつとめていくことを相互に確認した。 以上の推進方策のもとで、次年度も、精力的に研究を推進していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に研究分担者が物品購入のさいにちょっとした不手際で2019年度内に購入予定だったものが購入できなくなってしまったのだが、それは新年度において購入し直すことでまったく問題はなく、研究進行上も差し支えはない。
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