研究課題/領域番号 |
19K02136
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
宮垣 元 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (40340905)
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研究分担者 |
鈴木 純 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (40283858)
山本 圭三 摂南大学, 経営学部, 准教授 (20612360)
猿渡 壮 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 講師 (10829576)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 民間非営利組織 / コミュニティ / 組織間ネットワーク |
研究実績の概要 |
民間非営利組織(NPO・NGO)は、阪神・淡路大震災(1995年)から東日本大震災(2011年)に至る四半世紀においてもっとも変容した中間集団であったといえる。本研究では、このNPOの組織・ネットワーク特性および変容過程を跡づけるとともに、その(政策や地域特性が異なる)地域間の比較を行うことを企図している。 本年度(2021年度)は、Covid19の影響により順延となっていた調査を進捗させた。本調査は、鳥取県、島根県で認証されている全NPO法人を対象とし、2021年11月から12月にかけて質問紙調査により実施した(有効回答223ケース、有効回収率38.3%)。実施にあたっては、過去に実施した兵庫県、神奈川県での調査スキームを用いて、地域の中間支援組織との協働で行い、また調査項目も比較可能な設計とした。 2021年度は、調査票の設計、調査実施体制の構築、実査・回収、データ入力などを行った(022年度には、このデータを用いた分析を行う予定である)。あわせて、2019年度までに科研費調査として行った兵庫および神奈川のNPO法人(各所轄庁認証の全数を対象)のデータ分析、二次分析を継続し、その成果を論文として発表した。 理論枠組みについては、経済学的視点から協同組合や非営利な団体の経済的・社会倫理的特性について、マーシャルやトインビー等の著作にさかのぼって、理論的・学説史的な研究を進展させた。また、社会学的視点からは、ヒューマンサービスにおけるコミュニティの役割にNPOの組織的特性を位置付け、これらの関係について包括的な検討を行った。これらの成果は、論文及び書籍においてその一部分を提示している。 なお、研究組織全体の研究活動は、遠隔地かつCovid19の影響もあり分散的に行わざるを得なくなったが、オンラインでの研究会や作業を進めたこともあり、順調に進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実証研究については、コロナ禍により昨年度から順延していた調査を実施することができた。理論研究については理論枠組みの構築を進め、その一部を書籍等のかたちで発表するに至っている。以上のことから、概ね予定通りの進捗といえる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は主として実証研究をさらに進める予定である。2021年度に実施した鳥取県・島根調査について、早々にデータのロジカルエラーチェックの後にデータセットを完成させ、その分析を進める。また、過去の調査(兵庫県。神奈川県)のさらなる二次分析、及び比較分析を行うことで、これらの大規模調査から得られる知見を整理していく。これらの成果は、報告や論文のかたちで順次発表する予定である。また、状況に応じつつ、オンラインもしくは対面での研究会開催、作業を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid19の影響により実査の方法を変更し、結果として支出が抑えられた。同様に、旅費等も生じていない。調査および関連する作業が継続するため、これらの経費として使用する予定である。
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