• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

ポスト震災期コミュニティにおけるNPOネットワークの構造変動と地域間比較分析

研究課題

研究課題/領域番号 19K02136
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

宮垣 元  慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (40340905)

研究分担者 鈴木 純  神戸大学, 経済学研究科, 教授 (40283858)
山本 圭三  摂南大学, 経営学部, 准教授 (20612360)
猿渡 壮  島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 講師 (10829576)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード民間非営利組織 / NPO法人 / 地域間比較
研究実績の概要

本研究は、阪神・淡路大震災以降にもっとも変容した中間集団だといえるNPO/NGOを対象に、組織特性やネットワーク特性を明らかにすることを目的としている。その上で、それらの変容過程を跡づけるとともに、地域間の比較を行うことを企図している。
コロナ禍により順延となっていた山陰地方(鳥取県・島根県)のNPO調査を2021年度中に実施することができたため、本年度(2022年度)では、主としてその分析に注力することができた。あわせて、両県の調査協力団体や中間支援組織へ結果をフィードバックすべく、調査報告書を作成した。なお、調査は、両県で認証された全NPO法人を対象としたものであり、これまで同様のスキームで実施した他県での調査結果との比較分析につなげる予定である。
具体的な研究内容としては、実証研究として、福祉系NPOの組織運営のあり方について、集団内における対話的共同性という性質に着目した分析を行った。また、中核メンバーの性別構成と組織特性の関連の検討を行っている。理論研究としては、経済学的視点から、協同組合や非営利団体の経済的・社会倫理的特性について、マーシャルやトインビー等の著作にさかのぼって、理論的・学説史的な検討を行った。社会学的視点からは、イノベーションにつながるNPOの動態的な特性を、事業性と運動性、マルチステイクホルダーなどの異なる軸で構成されるNPOの多様性から検討をおこなった。以上の成果は、書籍、論文、学会報告などのかたちで発表された。これらに加えて、将来的な国際比較も視野に入れ、米国のNPOの活動実態についての調査を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍により順延していた実証研究を2021年度中に実施することができたため、2022年度はその分析を行うことができ、概ね予定通りの進捗を得た。理論研究も、概ね予定通り進捗しており、その内容や発展部分については、書籍、論文、報告のかたちで発表するに至った。

今後の研究の推進方策

2023年度中に鳥取県・島根県調査の報告書(基礎集計データのまとめ)を取りまとめたため、本年度は同データを用いたより発展的な分析と、これまでのデータ(他県データ)を用いた比較分析や二次分析を行う。これらの大規模調査から導かれる知見をとりまとめたい。また、これらの成果は、報告や論文として順次発表する予定である。代表者・分担者による研究会については、上記に進捗にあわせ、オンラインまたは対面にて適宜開催する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響により、2021年度以降の調査実施について方法を変更した結果、支出が抑えられたため。また、研究会開催を可能な限りオンラインで行ったことにより、支出が抑制された。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 中小企業におけるメンタルヘルス問題に関する実証分析の展開 : 神戸大学データヘルス共同研究の成果2023

    • 著者名/発表者名
      山岡順太郎, 木下祐輔, 足立泰美, 勇上和史, 鈴木純, 藤岡秀英
    • 雑誌名

      国民経済雑誌

      巻: 227(1) ページ: 45-63

  • [雑誌論文] NPO法人における収益構造の15年間の変容2022

    • 著者名/発表者名
      小嶋 新, 宮垣 元
    • 雑誌名

      ノンプロフィット・レビュー

      巻: 22 ページ: 49~60

    • DOI

      10.11433/janpora.NPR-D-22-00003

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Impact of Workplace Harassment on Mental Health and Organizations2022

    • 著者名/発表者名
      YAMAOKA Juntaro, YUGAMI Kazufumi, FUJIOKA Yoshihide, SUZUKI Jun
    • 雑誌名

      Journal of Occupational Safety and Health

      巻: 15 ページ: 71~83

    • DOI

      10.2486/josh.JOSH-2021-0021-GE

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 社会改革の経済思想:アーノルド・トインビーの協同組合論2022

    • 著者名/発表者名
      竹口隼人, 鈴木純
    • 雑誌名

      国民経済雑誌

      巻: 226(6) ページ: 67-81

  • [学会発表] NPOと社会ネットワーク:研究の視点と調査研究プロジェクトの概要2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木純, 宮垣元
    • 学会等名
      社会関係学会第3回研究大会
  • [学会発表] 財政基盤情報からみる山陰地域NPO組織の特徴:都市部NPO組織との比較をとおして2023

    • 著者名/発表者名
      山本圭三
    • 学会等名
      社会関係学会第3回研究大会
  • [学会発表] 福祉系NPOにおける対話的共同性2023

    • 著者名/発表者名
      猿渡壮
    • 学会等名
      社会関係学会第3回研究大会
  • [学会発表] Social Innovation and NPOs in the Bay Area2023

    • 著者名/発表者名
      Gen Miyagaki
    • 学会等名
      Annual Conference Berkeley Japanese Studies Network
  • [学会発表] Elderly Shared Housing With the Local Community Supports in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Natsue Doihara, Junko Miyano, Gen Miyagaki
    • 学会等名
      ACAP2022
    • 国際学会
  • [図書] 社会イノベーションの方法と実践2023

    • 著者名/発表者名
      琴坂将広, 宮垣 元
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会
    • ISBN
      978-4-7664-2870-4

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi