本研究では、教育研究評価における数値指標が世界的規模で普及していった背景に加えて、それらの指標をめぐる誤解や誤用を取りあげ、それらが生じてくる社会的背景とその正負両面の影響について明らかにしていくことを目指した。文献調査に加えて日本国内と海外(カナダ、台湾)でインタビュー調査をおこなった。その結果、日本においてもインパクト・ファクター等の指標だけでなく、大学独自のKPIが教員の採用や昇進にあたって採用されていく傾向が見てきた。また、それらの指標の普及は、大学の設置形態や研究分野によって大きく異なることも示唆された。今後は、それらの違いを念頭において比較事例分析を進めていくことを企図している。
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