研究課題/領域番号 |
19K02209
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
長谷川 万由美 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70308104)
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研究分担者 |
石井 大一朗 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 准教授 (80764422)
近藤 伸也 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 准教授 (50426532)
飯塚 明子 宇都宮大学, 留学生・国際交流センター, 助教 (60806925)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地域防災 / 復興支援 / 国際比較 / 災害ボランティア / 台湾 / イギリス / ニュージーランド |
研究実績の概要 |
本研究は災害に強い地域づくりに向けた地域防災のあり方を国際比較を通じて明らかにするものである。2019年度は日台の国際比較研究を進めるとともに英国、ニュージーランドでの調査も行った。また令和元年東日本台風による被災地での実態を把握するとともに、支援活動にも積極的に関わった。 (1)日台比較研究:日本から台湾への調査を二回、台湾から研究者が来日しての調査を二回行った。台湾での調査では、6月に国立台湾大学気象気候災害研究センターを訪問し、2015年の土石流災害を事例に災害時の対応について意見交換を行った。また災害時支援で大きな役割を担っている慈済の本部を訪ね、災害時の活動や地域防災研修の概要について調査した。台湾からは5月に研究協力者である国立台湾大学気象気候災害研究センター研究員と桃園市水源局職員が来日し、2015年関東・東北豪雨災害の被害及び災害時支援の状況に関する鹿沼市での調査及び広域防災拠点があるそなエリアの視察を行い、地域防災に関する意見交換を行った。また11月には令和元年東日本台風の被災者支援のための災害ボランティアセンターの運営状況について現地視察を合同で行った。 (2)その他の国際比較研究:英国とニュージーランドでの調査を行った。英国では災害時のソーシャルワーカーの役割についてのイングランドソーシャルワーカー協会の研修について調査するとともに慈済が行った浸水地域での支援活動に同行した。またニュージーランドでは2010年、2011年のカンタベリー地方の地震の後、住民主体の防災活動を行う近隣組織が誕生していることが調査により明らかとなった。 (3)10月の令和元年東日本台風により被害を受けた栃木県内の被災状況や災害ボランティアセンターの運営状況を調査するとともに、鹿沼市はじめ県内四か所の社会福祉協議会等と連携して学生ボランティア活動を実施し、参加学生の意識調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際比較のための現地調査を複数回行うことができた。また台湾より二度研究者を招聘し日本における現地調査に基づく意見交換を進めた。さらに10月の令和元年東日本台風では大学の位置する栃木県内の災害ボランティアに係る調査を行うとともに復興支援にあたり、貴重なデータを得ることができた。以上の通り予定していた調査研究をほぼ進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、2019年度に入手したデータの分析を進めるとともに、各国の地域防災や災害時支援に関する法制度や既存研究の整理を進める。また、国内の状況については令和元年東日本豪雨災害の被災地域がその後どのような地域防災の取り組みを進めているかについて調査により明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
10月に発生した令和元年東日本台風による県内の被災状況や支援活動の把握のため、日台の共同研究を進めることはできたが、予定していた国内の地域防災の取り組みに関する調査活動の一部を行うことができなかった。
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