研究課題/領域番号 |
19K02209
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
長谷川 万由美 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (70308104)
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研究分担者 |
石井 大一朗 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 准教授 (80764422)
近藤 伸也 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 准教授 (50426532)
飯塚 明子 宇都宮大学, 留学生・国際交流センター, 助教 (60806925)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地域防災 / 復興支援 / 国際比較 / 災害ボランティア / 台湾 |
研究実績の概要 |
本研究は災害に強い地域づくりに向けた地域防災のあり方を国際比較を通じて明らかにするものである。2020年度は新型コロナウイルス流行拡大の影響で、国際比較のための調査実施の見通しが立たず、現在までの調査に基づく分析等についてまとめる作業を主として行った。また新型コロナウイルスを災害と捉え、地域防災に感染症対策をどのように組み込んでいくかについて検討を始めるとともに、インターネットを活用した調査研究を進める準備を始めた。 (1)日台比較研究:今までの台湾での調査結果を元に台湾における地域づくりについての論文を発表した。また、国際比較のためにWebで行う調査としてSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用頻度が市民の避難意識に与える影響に関する研究を検討し本年度はまず日本で行い、その結果を発表した。 (2)その他の国際比較研究:昨年のニュージーランドでの調査の結果を防災に向けた地域づくりという観点から論文にまとめて発表した。日本の災害に強い地域づくりに資する災害ボランティアの役割等について国際学会で発表した。新型コロナウイルスが生活に与える影響について主として子育て中の母親に調査を行った。(3)国内被災地への対応:7月に発生した九州豪雨(令和2年7月豪雨)の被災地(熊本県球磨村、人吉市、鹿児島県伊佐市)に行き、被災状況や支援状況についての調査を行った。また東日本大震災から10年という節目に災害を経て東日本大震災の被災地の復興の状況について現地調査(岩手県宮古市・釜石市・陸前高田市、宮城県気仙沼市、福島県浪江町・富岡町・大熊町・楢葉町・広野町・いわき市)を行った。3月には子どもの育ちの保障という観点から災害に強いまちづくりを考えるセミナー「被災地のこどもの居場所を考える~放課後学校NPOカタリバコラボ・スクールの実践を通して」をオンラインで実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、海外での調査及び海外からの研究者の招請ができず、国際比較のための調査及び意見交換が十分にできなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
海外との行き来が難しい状況が今後しばらく続くことを考慮し、Web会議を使っての情報交換及びインターネットアンケートを通じた調査の実施などを通して、研究計画にある国際比較研究に必要な調査を進めていく。そのために学術的に有効な調査方法等の検討を通して行う。さらに、コロナ禍を災害と捉え、新型コロナウイルスのような感染症の蔓延も含めた災害に強い地域づくりに向けた地域防災・復興システム構築にまで研究の範囲を広げた検討も行ない、調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大のため渡航ができず、日本と海外を行き来しての調査研究を進めることができなかった。2021年度はWeb会議やインターネットアンケートなど感染状況に影響を受けない方法での調査の実施に向けて計画的に検討する。また日本国内の調査を優先させ、可能な限り聞き取り調査等を行っていく。
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