本研究では、鉄欠乏状態における骨脆弱化のメカニズムとしてビタミンB12をはじめとしたビタミン類が補酵素とするメチオニン代謝異常が組織ならびに骨中メチル化レベルに影響を及ぼすのかについて検討を行った。その結果、通常食投与したマウスに比し、鉄欠乏食投与したマウスの肝臓において、メチル基転移酵素PRMT1ならびにPRMT3の発現低下および総メチル化タンパク質量が低下することを明らかにした。一方、骨中メチル化については2群間に有意な差を認めなかった。以上より、鉄欠乏状態における骨粗鬆症誘発メカニズムとして、骨中メチル化ではなく、各組織中ビタミン類の代謝変動が主である可能性を示唆した。
|