ウールのしわ形成メカニズムとタンパク質化学修飾の知見を基盤とし、ウール繊維の優れた特性であるジスルフィド(-SS-)結合を絹繊維内(フィブリル分子間)に直接導入することにより、しわ回復性・形態安定性の付与、及びフィブリル化の防止した新しい高機能性絹繊維の加工・特性評価技術の確立を行った。具体的には、変わり無地精錬絹布帛において、絹本来の物理的性質(風合い、重量)を変化させることなく、開角度差20 °以上のしわ回復性を付与した高機能性絹繊維の開発に成功した。さらに-SH基導入後に還元工程を導入することで、形態安定性の付与だけではなく、フィブリル化を防止した高機能性絹繊維の開発に成功した。
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