研究課題/領域番号 |
19K02413
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
高妻 紳二郎 福岡大学, 人文学部, 教授 (20205339)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | パートナーシップ / コミュニティスクール / 学校改善 |
研究実績の概要 |
2019年7月に英国で開催された英国教育経営学会:The British Educational Leadership, Management and Administration Society(BELMAS)において研究発表を行った。「日本の教育行政・政策の現状と方向性―学校と地域の協調体制に関する事例を中心として―」(Japanese Government’s priorities for education―Focusing on Relationships in School-Community Partnerships-)と題して、今日の日本の学校が直面する教育政策対応の実相と学校と地域の連携に焦点を当てての事例報告である。学校間連携のうちとりわけ集中連携が依然として大きな課題であり、学校運営協議会(コミュニティスクール)設置を契機に相対的な学校改善がなされた事例について検討、分析を加え、小中連携を軸とした学校改善と並行し地域住民の参画を得ての学校改善が極めて有効であること、教育水準向上の基盤整備のためにカリキュラム内容も一貫型が奏功することを論じた。 英国では学校管理職の力量形成の視点から、校長に必要な資格を取得することの義務化やその解消等の曲折を経ながらも、校長専門職国家資格(National Professional Qualification for Headship:NPQH)と呼ばれる資格保有が望ましいとされ、研修を受ける教員は勤務校から資格取得への支援体制が整っている。このように、比較的近隣に所在する初等学校と中等学校の連携を図る際には学校管理職の協働や学校理事会連合(Multi Academy Trust:MAT)やティーチングスクールと呼ばれる協働型ネットワークの中での学校改善が図られており、我が国が参照すべき実践知見として捉えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の科研費を順調に消化し、効率的に研究を進めることができている。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度、海外との往来がいつ可能になるか不明である現下の情勢に鑑み、年度末での渡英調査を予定している。それまでは国内の学校間連携事例について実証的な調査を行う。また、国内移動が自由にできるようになる時期をみつつ、調査予定の自治体や学校等とは適宜連絡調整を保ち、効率的な調査ができるよう再計画する。 国内事例研究では国内移動が支障なく行えるようになった時期を調整しつつ、引き続き予定した地区への実地調査を計画している。 日英ともに学校の教育水準向上が喫緊の課題の一つであることに鑑みて、英国ではアカデミーにおける取組事例、日本では中学校区における取組事例について分析を加え、それぞれの知見に学びつつ具体的改善方策を探ることを目的とした実地調査及びフォローアップを計画している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ計画通りの予算消化を達成できたが、年度最後の実地調査旅費において6,986円の未消化金額が残ったため。
|