研究課題/領域番号 |
19K02507
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
冨永 貴公 都留文科大学, 教養学部, 准教授 (90572553)
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研究分担者 |
堀川 修平 埼玉大学, 教育学部, その他 (80912815)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 社会教育 / 生涯学習 / ジェンダー / セクシュアリティ / 専門職養成 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、社会教育の場におけるセクシュアル・マイノリティ関連事業の成果と課題を整理、検討するとともに、それらに対するセクシュアル・マイノリティ当事者(支援)団体が求める配慮の実際を検討すること、さらに、これらのことを踏まえながら、セクシュアル・マイノリティへの配慮を保証する教育・学習の理論的、かつ、実践的な基盤を提示し、それらにもとづく社会教育専門職養成におけるジェンダー・セクシュアリティ問題学習プログラムを開発することである。 2021年度は、ジェンダー/セクシュアリティの視点を引き受ける社会教育学・生涯学習論、とりわけ、成人・労働者教育に関わる整理を行い、これまでに先行して蓄積されてきた労働と生活をめぐる課題解決のための教育・学習と連続性をもつとともに、それらを今日的な視点から再構成する理論的・実践的な基盤を検討した。 また、国内外の同性婚・パートナーシップ制度とそれらに関わって全国で行われる男女共同参画関連施設の事業内容を網羅的に把握できるように資料を収集し、それらを社会教育・生涯学習の場における教育・学習課題として捉え直す視点を考察した。 さらに、学習プログラムの開発に向けた研究整備、とりわけ、研究分担者・協力者らとの共同研究活動を継続的に行い、そこでの成果をもとに公開研究会を企画・運営した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究が設定した目的は、上記のように、①社会教育の場におけるセクシュアル・マイノリティ関連事業の成果と課題を整理、検討すること、②それらに対するセクシュアル・マイノリティ当事者(支援)団体が求める配慮の実際を検討すること、さらに、これらのことを踏まえながら、③セクシュアル・マイノリティへの配慮を保証する教育・学習の理論的、かつ、実践的な基盤を提示し、それらにもとづく④社会教育専職養成におけるジェンダー・セクシュアリティ問題学習プログラムを開発することである。 これらに4つの研究目的に関わって、まず①の資料収集とその整理・検討、③の先行研究にもとづく理論的な基盤の検討は計画通りに進めることができた。また、研究分担者・協力者との共同研究活動を通じて、②および④のための調査設計を行うことができた。 したがって、総じて2021年度の研究課題の達成は、「おおむね順調に進展している」と判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの継続的な蔓延を受けて、研究活動そのものが感染拡大を担ったり、社会教育施設職員の業務の増大につながったりする危険があるため、研究目的の②については当初の研究計画を大幅に変更せざるを得ないが、状況に配慮しながら可能な限りの研究の遂行をはかる。 また、④についても研究分担者・協力者らとの共同研究活動を基礎として、当初の研究計画では想定されていなかったオンライン空間の意義と課題を踏まえて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定していたフィールドワーク(対象施設における資料収集およびインタビュー調査)が新型コロナウィルス蔓延を受けて予定通りには実施できず、それに代えて全国の公的機関が公開する資料収集にもとづく量的な調査を実施した。この量的な調査に研究調査補助を要したことにより、当初の支出予定よりも旅費が減、人件費・謝金が増となり、その差額が次年度使用額となった。 次年度も引き続き不透明な点が多くあるが、研究目的の②の遂行に関わって、旅費の確保が必須である。
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