研究課題/領域番号 |
19K02518
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
山本 和行 天理大学, 人間学部, 准教授 (00584799)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教員 / 植民地 / 台湾 / 学校 / 近代 |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度に実施した学校教員をめぐる制度的な実態に関する研究成果を基に、実際に各地の学校に配属された教員に注目し、個々の教員が自らの職務としてどのような場所に出向き、どのような人々と協力しながら教育活動を展開していたのかを明らかにすることを目指し、研究を進めた。 具体的には、1895年の日本による台湾領有後に台湾へ渡った日本人教員の経歴や教育環境、台湾での配属状況、配属先での役割などについて、台湾総督府の公文書である公文類纂に所収されている人事関係の書類を中心に、日本および台湾の教育に関する先行研究の蓄積を活用しながら、日本人教員の植民地教育における位置を明らかにすることを目指した。 ただし、本年度は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大とそれにともなう海外渡航制限、および日本国内の感染状況にかかる移動の制限と各種公共施設の利用制限により、現地での資料調査に大きな制限が課せられることとなった。そのため、インターネット上に公開されている史資料や先行研究、および前年度に収集・整理した史資料などに基づき研究を進めた。 上記の研究活動にかかる研究成果については、2020年9月に開催された教育史学会の第64回大会において研究発表をおこない、成果の共有を図った。また、本年度の研究活動に基づく研究成果の活字化を目指しており、次年度に公表する予定である。 なお、研究成果の公表についても、上記のような新型コロナウイルスの感染拡大の状況によっては、当初の計画を修正する必要があるものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記「研究実績の概要」においても言及したとおり、新型コロナウイルスCOVID-19の世界的な感染拡大にともない、研究計画を立てた当初に予定していた研究調査および研究成果の機会が大幅に失われており、調査および成果の公表に大きな遅れが生じていると言わざるを得ない。 ただし、そのような状況ではあるが、オンラインを活用した資料調査や研究発表の機会を活かすことで、一定の研究活動はおこなうことができた。その点を勘案し、現在までの進捗状況としては「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は本研究課題の最終年度にあたるため、これまでの調査に基づく研究成果の公表を予定している。 ただし、すでに上述したように、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう研究活動の大幅な制限の影響を受け、当初の研究計画のとおりに調査活動および研究成果の公表が進んでいない現状もあるため、前年度までに実施できなかった調査を実施することも考えている。 ただ、この点についても今後の新型コロナウイルスの感染拡大状況に左右されることが予想されるため、引き続きオンラインを活用した調査活動の実施および研究成果の公表を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は世界的な新型コロナウイルスの感染拡大にともなう渡航制限、および日本国内の新型コロナウイルス感染状況にかかる移動制限と各種公共施設の利用制限にともない、本研究計画を立てた当初に想定していた研究調査がまったく実施できなかった。そのため、次年度使用額が生じた。 次年度は新型コロナウイルスの感染状況を見つつ、研究調査の実施によって当該助成金を使用することを考えている。
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